サイレント困ったちゃん2 ページ11
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数時間ぶりにあった金指は
今日の別れ際とは
明らかに様子が違っていて
どしたんだよ、と聞いてあげたかったけど
龍我曰く「お父さんの出張を忘れてた」らしいので
そんな理由なら
答えるのも少し恥ずかしいか、
なんて1人で納得した。
ズルズルと長いブランケットを羽織ったまま
引きずる金指は雛人形みたいになっていて
可愛いけど奇妙だ。
冷房の上げ下げもよくわからないほどの
温室育ちとはさすがに思わないから、
お父さんが帰ってないことで
ちょっとしたパニックに陥ったんだろう。
「浮所?」
「なんだよ?」
「来てくれてありがとう。」
金指があんまり弱々しく笑うもんだから
龍我からの電話がなけりゃ
この子は1人でどう過ごしたんだろう、と
いもしないもう1人の金指を想像して苦しくなった。
「…急に素直か!お前熱でもあるんじゃね?」
想像を振り払うようにふざけて
金指のおでこに手をやれば
予想外の高すぎる体温。
本人は熱は無いと主張するけど
明らかにあるので
有無を言わさずソファーへと引っ張って行った。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時