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河村side
休んでいた分の仕事を取り戻そうと必死だった。ぼんやり思いついていた企画が実現可能かを考える。無理だと思ったら即捨てて、振り出しに戻って考え直しだ。頭の中でいろんなことを検討しながら、パソコンに打ち込んでいく。
「あぁ、こうすれば……」
やっと実現できそうな企画が出来上がり、少しだけほっとした。首と肩を軽く回してほぐし、腕まくりをして、もう一度パソコンに視線を戻す。
……腕まくりをして。
ハッとして、咄嗟に腕をテーブルの下に隠した。動揺して震える指で袖を元に戻す。癖っていうのは怖い。
短時間だったからバレてないだろうな。そっと周りの様子を伺ったが、みんな仕事に集中していて、僕のほうを見ている人はいなかった。それに安堵して、僕も何もなかったように仕事を再開した。
「あ、河村、ちょっと今いい？」
「ん？企画の話？」
「まぁそんなところ」
手招きする福良の後をついて撮影部屋に入る。ここで話すってことはドッキリの仕込みか？そんな話もらってたかな、と頭の中で考える。
「座って」
「僕だけ？」
「いや、俺も座るけど」
赤いソファーに腰を下ろすと、福良も隣に座った。ていうか、パソコンも何も持ってないけど、それで企画の話なんてできるのか？
「また伊沢にドッキリでも仕掛けるの？」
「え……本当に企画の打ち合わせだと思ってる？」
「だって、さっきお前そう言ったじゃん」
目を合わせないまま答えると、数秒の沈黙が流れた。
「……腕の傷、どうしたの」
「……どうもしてない」
あぁ、今の返しは下手すぎた。福良もさっきの短時間でよく気づいたな。全てを見透かされているようで怖くて、うまく頭が回らない。
「先に言っておくけど、俺は河村のことを責めたいわけじゃないからね。ただ、心配になったから、聞いておきたかっただけ」
「……そう」
「いや、俺もさ、こういうとき、どういう風に寄り添うのがいいのかわかんないんだけど……」
言葉がだんだん消えかけ、福良がもう一度口を開く。
「言いたくないことは言わなくていいから……お願いだから、こうなる前に、俺らのこと頼ってほしい、」
その場の空気に押されて頷いた。心の雪が解けていくような感覚。その瞬間、頬を水滴が滑り落ちた理由なんて、僕だってわからない。end
ーーー
レアさん、リクエストありがとうございました！
4月中にお応えすると言いつつ、5月になってしまいましたm(_ _)m
気に入っていただけたら幸いです(*´꒳`*)
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雪月花 - すいません、どうしても分かんないです。色々有名そうなのを入れてみて全部出し尽くしちゃったんです。ヒントとか貰ったり出来ませんか？ (6月18日 20時) (
レス) id: a76a285c93 (このIDを非表示/違反報告)
NaHo(プロフ) - あの手この手で色々調べてみたんですが全くわからないので教えてくださいお願いします🙇🏻♀️ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 45b193f19a (このIDを非表示/違反報告)
あくと(プロフ) - 頑張って考えたんですが続編のパスワードが分からなくて...ヒントなど頂けたりしませんか？お忙しいと思いますが返信頂けると嬉しいです (2022年3月11日 18時) (レス) id: ab17c965b8 (このIDを非表示/違反報告)
White - すごくおもしろくて2も読んでみたいな、と思ったのですが、ヒントをみて、思いつく数字を片っ端から入れても、どんなに調べても分からなくて、もう少しヒントを頂けませんか？ (2021年10月31日 20時) (レス) id: 276347c53c (このIDを非表示/違反報告)
s.u - 私は、有名な4桁数字と調べたら出て来て、あ〜これか〜！ってなりました（今さらすみません） (2021年9月29日 20時) (レス) id: 4835169485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉怜 | 作成日時：2019年9月21日 23時
