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こうちゃんside
雷が結構近くに落ちたと思ったら、急に電気が消えた。一時的な停電だろう。
「はぁっ、はっ、」
ふと耳を澄ますと、雷と雨の音に混じって、不規則な呼吸音が聞こえた。オフィスにいるのは俺と山本さんだけだ。スマホのライトを頼りに、慌てて山本さんが座っているところまで行く。
「山本さん、ちょっと、大丈夫ですか？」
ときどき嫌だ、怖い、と漏らしながら、苦しそうに息をしている山本さん。少しでも顔が見えるように、スマホのライトを当てながら話しかける。
「山本さん、聞こえますか？俺です、こうちゃんです」
「ゃだ、っこわぃ、」
「怖いですよね、でももう１人じゃないから大丈夫ですよ」
声が震えている。泣いているんだろう。そっと手を伸ばすと、温かい背中に触れた。少しでも安心してもらえれば、と子供をあやす時のように優しくさする。
「ゆっくり、深呼吸しましょ」
「っは、けほっ、」
「焦らなくて大丈夫です。吸ってー、吐いてー、」
「すぅ、はっ、はぁっ、」
最初は小刻みに震えていた背中も、深呼吸を促しているうちに、少しだけ落ち着いてきた。
「こうちゃん、ちゃんと、ぃる？」
「いますよ。ちゃんと隣にいるから大丈夫です」
これ以上不安にならないように、いつもより低めのトーンでゆっくり話す。しばらくそうしていると、安心してくれたのかいつも通りの呼吸が戻ってきた。
「……わっ」
気づくと雷は止んでいて、雨音だけになったと思っていたら、突然電気がついた。停電から復旧したんだろう。急に明るくなったせいで、少し目がチカチカする。
「山本さん、電気つきましたよ」
小さくうずくまる山本さんに声をかけると、ふと体が俺の方に寄りかかってきた。
「山本さん？……って、寝ちゃったのか」
いつのまにか規則正しい寝息が聞こえていた。付き合いはそれなりになるけれど、こうして年下の俺に素直に弱いところを見せてくれることは滅多になかったから、ちょっと嬉しい。
「……怖いものは誰にだってありますよ」
俺よりひとまわり小さな背中にブランケットをかける。起きた時にはまた、いつものように笑ってくれるといいな、と思いながら、隣の席でパソコンを開いた。end
ーーー
おむらいすさん、リクエストありがとうございました！
恐怖症は、閉所(エレベーター)と雷と迷って、結局暗所にしました(知識浅いのにごめんなさい)。
台風が来ていますが、皆さま身の安全を第一にお気をつけてお過ごし下さい。
痛いの痛いの飛んでいけ-izw-＊→←暗闇の中で-ymmt-＊
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雪月花 - すいません、どうしても分かんないです。色々有名そうなのを入れてみて全部出し尽くしちゃったんです。ヒントとか貰ったり出来ませんか？ (6月18日 20時) (
レス) id: a76a285c93 (このIDを非表示/違反報告)
NaHo(プロフ) - あの手この手で色々調べてみたんですが全くわからないので教えてくださいお願いします🙇🏻♀️ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 45b193f19a (このIDを非表示/違反報告)
あくと(プロフ) - 頑張って考えたんですが続編のパスワードが分からなくて...ヒントなど頂けたりしませんか？お忙しいと思いますが返信頂けると嬉しいです (2022年3月11日 18時) (レス) id: ab17c965b8 (このIDを非表示/違反報告)
White - すごくおもしろくて2も読んでみたいな、と思ったのですが、ヒントをみて、思いつく数字を片っ端から入れても、どんなに調べても分からなくて、もう少しヒントを頂けませんか？ (2021年10月31日 20時) (レス) id: 276347c53c (このIDを非表示/違反報告)
s.u - 私は、有名な4桁数字と調べたら出て来て、あ〜これか〜！ってなりました（今さらすみません） (2021年9月29日 20時) (レス) id: 4835169485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉怜 | 作成日時：2019年9月21日 23時
