QK看病日記

少しだけ立ち止まって-izw- ページ2

伊沢side
「ここはこっちのほうがいいかな、あと、ここは〜」

ライターが書いてくれた記事のチェック。YouTubeの撮影。コラボを考えたり、イベントの予定を立てたり。そのほかにも仕事は常に山積みだ。

「はぁー……」

「お疲れ」

「ん、福良さんもお疲れ様」

午前からぶっ通しで仕事をしていて、気づいたら15時を過ぎていた。

「お腹空かないの？」

「あー、なんか全然感じなかった」

仕事に夢中になっていて、昼食を食べ損ねた。空腹をやっと自覚してそれに気づく。

「お昼に声掛けたのに、ずっと仕事してて聞いてなかったでしょ」

「あー、そうかも、ごめん。あと、ありがとうございます」

メンバーの中でも福良さんは特に、仕事を始めるとご飯も睡眠もどうでもよくなってしまう俺のことを思って、ときどきこうしてストッパーになってくれる。

「なんか食べたら？お腹空いてると頭働かないし」

「ん、そうするわ。コンビニ行ってくる」

「いってらっしゃい」

財布と携帯だけを持ってオフィスを出た。久しぶりに外の空気を吸った気がする。コンビニで適当に軽食を買って、特にやることもなく、またオフィスに戻った。

「伊沢、俺このあと用事あって帰るから、あと頼むわ」

「んー、おつかれー」

福良さんが帰ったあとも、やらなきゃいけない仕事を消費して時間を過ごした。ブルーライトカットの眼鏡をかけているとは言え、やはり何時間もパソコンと向かいあっていると体もきつくなる。

「んぁーーー」

頭がズキズキと痛むのは気のせいだろうか。病は気からと言うし、気のせいだと信じたい。まだやらなきゃいけないことがたくさんあるんだから。もう少し頑張ってくれ、俺の身体。

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