夢小説の矛盾にツッコミを入れてみよう

「人当たりが悪すぎる」夢主 ページ39

初対面でいきなり相手を見下した暴言を吐く夢主、確かに見ますね。
それでもなんやかんやと構われて、最終的には恋愛になったり、さらに険悪になったり。
よくある設定でと、夢主の人当たりの悪さは「過去のトラウマによる人間不信」だったりするのですが、
どんな事情があろうと、普通は他の人に攻撃としてぶつけちゃいけないんですよね。
「私は昔泥棒されたから、お前らから物を盗んでやる！」って、ダメでしょ。それと同じです。

そういう夢主の

「人間関係の築き方がド下手」
「トラウマの原因と今目の前の人物は違うということがわかっていない」
「自分の欠点がなかったか、と冷静に見直せる程の視野を持っていない」

という欠点を描写できるのはこの設定のいいところですが、
欠点ならばお話の中で改善させてあげる必要があります。
このタイプの主人公の場合、トラウマと向き合い心理的に成長しなくてはいけないので、
ほぼ確実に長編覚悟になるのではないでしょうか。
人間、第一印象が重要なので、成長してそれを払拭するまでは、初対面のイメージで関係が続きます。
そのため、相手とイチャイチャできるターンがかなり後の方になる、というのも、
長編向きたる理由でしょうか。

この描写はなかなか危険で、慣れた人でないと勧められません。
いきなりクラスメイトに悪口言われて、
「こいつと仲良くしたい」って思う人、少数派だと思うんですよ。
人にちやほやされ、カリスマのあるタイプのキャラだと、
「お前、面白い奴だな」っという展開になるより先に、
上記の欠点を見破られる恐れもあります。

人に囲まれて、カリスマのある人は、それなり「人を見る目」があります。
しかし「人の過去」までは見えないし、暴言吐くやつに構うほど暇でもありません。
「面倒だから放置するか」というルートもあるので、
作者が物語でハプニングを起こして、それで二人の事情が明らかになり、
互いに理解しあう、という流れにしたほうが自然なのですが、
事件の起こし方をうまくできないと違和感が出てしまいます。

あと、「カウンセリングと恋愛は違う」ということも忘れないように。
「この人は私をわかってくれる」は、「だから私がなにをしても許してくれる」とは別です。
トラウマをわかってくれるからって配慮のない暴言を続けていたら、
「ドSだから」とか言ってても嫌われますよ。

主人公の成長と、物語の構成能力が要求されますので、この夢主を書くならば覚悟をしておいて下さいね。

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