夢小説の矛盾にツッコミを入れてみよう

根無し草にしないためには ページ27

ちょっと質問です。
私たちは、どうして母国語での読み書きや会話ができるのでしょうか？

答え方は色々とあるでしょうが、
「今までそれを使う訓練を日常的にしてきたから」
母国語を使える、というわけですね。
歩くにせよ話すにせよ、幼いころから数えきれないほどの失敗と改善を繰り返し、
日常的な使用が可能なレベルまで至っているわけです。
こんな風に、一つの結果を生み出すまでには、たくさんの過程を必要とします。


さて、矛盾を引き起こす主人公ができてしまう理由ですが、
「現在の主人公に至るまでの過程」を、作者がしっかり考えていないためです。

先ほどの例えで言いますと、
「漢字書く練習もしてないし、日本語聞いたこともないけど、なぜか日本語を話せる」
という状態のキャラができてしまうわけです。これは読者も、おや？ と感じるでしょう。

中には必要最低限の設定しかなされておらず、
そのほかのことは容姿すらわからない主人公もいます。
たとえば、星新一さんの作品はそれが顕著でしょう。
感情移入のために、または想像の余地を持たせるためにわざと設定に穴をあけていたり、
短編などで、特に過去の描写が必要ないので省いていたりと、
あえて作者がそういう風に仕向けている場合もあります。

そのような意図があるなら別ですが、
長編等の主人公になると、ここをしっかり固めていない場合、続けるうちにボロが出てきます。

あまりガチガチに固めてしまっても、話を続けるうえでの制限になってしまいますが、
最低限、キャラの性格面が揺らがなくなる程度には決めておきましょう。

具体的な方法として、「このキャラは、どうしてこんな風に成長したの？」、
「この設定は、具体的にどんな意味合いや理由を持つの」？
と、ひたすら自問自答を繰り返します。
今まで悪女やミーハーちゃんに対して、「なんで？」という視線を向けてきましたが、
それを、自分の小説のキャラに向けてみましょう。


・例として、「最強」と呼ばれているキャラに対して考えてみるとします。
そのキャラが、何か戦う集団を率いるベテランであり、
普段は不真面目に見えるキャラだとしましょう。設定は今、適当に決めました。

次のページで、実際に自問自答をしてみたいと思います。

キャラ設定を練ってみた1→←その7:その設定、消えるよ

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