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No.01 後編 ページ3

「そうでした。お前は真孤さんじゃないんだった」
そう返し、片手で斧を振るった。斧は真孤の左腕を通って体に推し入る。
勢い付けが甘く、真孤の体の半分のところまでしか刄が通らなかった。真孤は響の手を振り払い、斧を引き抜いた。
想像を絶するほどの痛みが真孤を襲う。理解が追いつかない程の、まさに地獄だった。

「い、たい、」
絞るように声を出すと、真孤はまた走って逃げ始める。真孤の体から分離した左腕は、まだ真新しい血をドクドクと流していた。
「罪じゃないんでしょう、肯定されるんでしょう?」

響は真孤に圧をかけた。
こうでもしないと、やっていられないと思ったからだ。真孤はさらに顔を歪ませる。
「つみじゃない、でも肯定なんかしない」
脳裏には否定の文字ばかりが浮かぶ。
逃げ疲れたのか真孤は、失速していく。
そろそろ追いつくと思った。響は先のコオリに迫るナイフのような哀しい気分だった。


真孤が自分にナイフを突き立てた。
そして幸せそうに笑った。
「全身の細胞を、麻痺させる、即効性の毒だよ。」

「もう痛くない、もう痛くないんだ。私の勝ち」


真孤が息を絶やした頃、響のスマホにメールが入る。
《死亡したと思われた尼野コオリだが、生存を確認した》
と言う旨の、響の心に二重に刺さるメッセージだった。
響は
《鏡月真孤、戦闘中に自決、死亡》
と言う事務的なメッセージを一言、返した。

尼野コオリ
鏡月真孤



“口下手同士のチェイス”
終わり

No.02 “救いのカタチ”→←No.01 中編



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低浮上の私。(プロフ) - ももさん» ありがとうございます、頑張ります (2月28日 18時) (レス) id: 42776d6356 (このIDを非表示/違反報告)
低浮上の私。(プロフ) - 裏華(うらか)さん» ありがとうございます、少々お待ちくださいね (2月28日 18時) (レス) id: 42776d6356 (このIDを非表示/違反報告)
もも - めっちゃ楽しみ♪♪♪ (2月27日 20時) (レス) id: 12bc70a190 (このIDを非表示/違反報告)
裏華(うらか) - 続きが気になります・・・‼︎ (2月27日 17時) (レス) id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
低浮上の私。(プロフ) - りこーだぁ☆さん» ありがとうございます、頑張らせていただきます (2月27日 17時) (レス) id: 42776d6356 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:低浮上の私 | 作成日時:2024年1月22日 20時

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