パンケーキ【ほのぼの】 ページ39
気分転換にパンケーキを作ってみようと思い先程から台所に立ち作業をしていた。
料理本通りに生地を作り上げ一度冷ましたフライパンに落とし込んでいく。そのまま数分経ち沸々と穴ができ始めてきたところでひっくり返すと、いい感じに焼き色が付いていた。
皿に移し替えそこにジャムとフルーツを盛り付けていく。
「いただきます」と手を合わせ一口大に切ったパンケーキを食べる。
生地のほんのりとした甘さとジャムが見事に融合し口いっぱいに広がる。
(自分で言うのもあれだけど……作るの上手かも)
パンケーキのお供にと思い淹れておいた紅茶を一口飲もうとした時だ。
「美味しそうなもの食べてるねA」
「せ、先生?!」
後ろにはサングラスとラフな私服姿の五条先生が立っていた。突然現れてくるものだから、紅茶を溢しそうになった。
「ね、僕の分はないの?」
「生憎、自分が食べる分しか作ってないので」
「じゃあそれを一口貰っていい?」
パンケーキを見つめる目は子どものように輝いていて、断る風景が思い浮かんだだけで罪悪感が芽生えてしまった。
「一口だけですからね」
先生のサイズに合わせパンケーキを切りフォークの柄の方を先生に差し出す。彼はそれを手に取り、パンケーキを口に頬張っていく。
「ん、美味しい。Aはお菓子を作るのが上手だね」
「またまた。ご冗談を」
「冗談じゃないよ。また作ってくれる? 僕のために」
「そんなに気に入ってくれたんですか?」
私が聞くと先生はにっこり笑いながら答えてくれた。
どこか幼さを感じる笑顔に胸のあたりが擽られるような感覚がしたけれど、悪い心地はしなかった。
後日、先生にお菓子を作って行ったら大変喜ばれたのだった。
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作者名:弓兵 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/archer0/
作成日時:2020年10月14日 23時