終・五条先生と五条君【愛され】 ページ29
「そんなの簡単だろ?」
食い気味に話す『先生』に一同は首を傾げる。
「Aが俺の傍にいてくれれば良い」
『先生』が食い気味に話すと突然私の腕を掴み自分の方へと引き寄せる。
(な、何を言ってるんだこの人はー?!)
今の状況に全くついていけない。
『彼』の発言に学長は頭を抱え先生は口をぽかんと開けている。
「言っただろ? 『俺』は俺の経験・心情から生まれた……つまり、そこのろくでなしが抱えてる
…………えっ?
さらりと爆弾を投下された気がした。
たしかに、敵の術の性質を鑑みれば『先生』の言うことは間違ってはいない。
間違っていない……。
しかし、問題はそこではない!
自惚れているかもしれない。それでも、確認しなければならない。
私は深呼吸を一つ置き、今思っていることを伝える。
「先生は私のことが好きなんですか?」
私の問いに『彼』は、「はぁ?」と言わんばかりに怪訝そうな顔をする。
「好きじゃなかったらお前に傍にいて欲しいとか言わねぇだろうが」
はっきりと『先生』は断言した。寧ろ、その事実を私が知らない事が不思議で堪らないという感じで見つめている。
「あー、そういうこと。だからそんな反応なんだな」
『彼』が納得するように呟いた途端、私の身体が勢いよく後ろに引っ張られる。
先生だ。
先生が私の腕を引っ張り自分の方に引き寄せたのだ。
彼の腕が私の肩と腰を痛くない程度に固定している。
「学長。こいつは僕に任せてくれません? あと、Aには絶対に近づけないで下さい」
顔は笑っているにも関わらずその声には『彼』に対する怒りが含まれている。
「なに彼氏面してんだよ
「口の利き方がなってないね〜。敬語の使い方教えようか? 何なら、その口がきけないように祓ってあげようか?」
「生憎、相手を
二人の間に見えない火花が散っている。
私は学長に助けを求めるように視線を送るも首を横に振られてしまった。
(こ、これは…………とんでもないことになりそうだ)
先生と『先生』、そして私の波乱の日常の幕開けとなった。
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作者名:弓兵 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/archer0/
作成日時:2020年10月14日 23時