Ｓside ページ41
…俺は、やっぱりどうかしてる。
Aに言われた一言に、一瞬でさらわれた。
“いい先生だ”と。
“みんなも分かってくれてる”と。
そんな言葉掛けてもらえる立場じゃねぇのに、Aは俺の目をじっと見てそう言ってくれた。
…けど、何より嬉しかったのはその後の言葉。
『ちゃんとまた先生になること諦めないで』
きっとこれは、俺が考えないようにしてたこと。
俺がそんなとこまた目指す資格なんかないって、そう思ってた。
…なのに…
「、…しょー…ちゃん…」
腕の中にすっぽり収まるAの震える声。
今までの俺だったらきっと、その声に反応して力を緩めてた。
でも、そうしようと思わなかった
さらに抱きしめる力を強くすると、Aの腕がおずおずとうしろに回る。
嬉しかった。
俺の気持ちを誰より分かってくれてるような気がして。
心の底からAをひとりの女(ひと)として認識した。
今までなら頭の片隅にあった“生徒だから”って気持ち。
それが、びっくりするくらい今、俺の頭の中にない。
教師と生徒としてじゃなくて、対等な人と人として、Aを近くに感じたんだ。
「…しょーちゃん…」
「…ん？」
「…なんで…」
…戸惑うよな。
俺だって、自分の気持ちがこんなにも当たり前の事みたいにAを受け入れてるのが不思議なくらい。
でも不思議だけど、当たり前なんだ。
人の言葉は不思議だ。
本当にあの一言で、俺の気持ちを抑えてたものが一気に取っ払われた。
「…ありがと…」
「、え…？」
「…諦めないでって言ってくれて…ありがとう…」
「…」
「…すげぇ嬉しい…」
「……うん…」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 581人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさこ(プロフ) - みかぽさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただき、嬉しい限りです(*^^*)こんな先生いたら……妄想の中なら最高ですよね(笑)次のお話、どれにしようか少し書き進めているところです(^^)/またお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年1月1日 1時) (
レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ゆきままさん» コメントありがとうございます！翔先生の最後の言葉は、翔君が実際にインタビューでデビュー当時の自分自身に宛てたメッセージ？を参考に書かせてもらいました(^^)翔君は実際にこういう人なんだなぁ、と感心した記憶があります。お話は今吟味中です(笑) (2020年1月1日 1時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ともさん» ともさん、こんにちは(*^^*)最後までお付き合いいただいて、嬉しい限りです！二ノちゃんほんとに優しくて(ﾉД`)最後まで楽しんでもらえてよかったです(*^_^*) (2020年1月1日 0時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - Minase*さん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました(*^_^*)全て一応書き始めてみて、書きたいと思った物を進めていく予定です！貴重なご意見ありがとうございました！ (2020年1月1日 0時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ばるとくJUMPさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました(*^^*)先生もの、いいですよね(^^)今回潤君の先生役は考えていなくて、また次の機会に考えてみようと思います！ごいけんありがとうございました！ (2020年1月1日 0時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うさこ
| 作成日時：2019年12月24日 13時
