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結局離してくれなくて、5分くらい経った頃ようやく腰を下ろした。
まだ疑心は晴れないけど、さすがに疲れた。
「んふ、やった」
「、」
その瞬間さっちゃんの頭がこてんと肩に乗ってきて、腕にぎゅうっと掴まった。
「……あまえんぼ」
「……まもちゃんに甘えられんの今日だけだもん」
「明日もでしょ？」
「そっか」
今気づいた様子で、また"んふふ"って笑う。
「まもちゃんさ、大変だったっしょ、俺と入れ替わって」
「……まぁ…うん。大変だった」
「正直」
「でも楽しかったよ」
「そ？」
「うん。知らないことに気づけたし、さっちゃんにも出会えたし」
「……俺にぶつかんなきゃ良かったとか思わない？」
「んー。それは思わない。全然。」
「…そっか」
さっちゃんの声は少し寂しそう…というか、元気がなさそうというか。
すぐ横にいるから表情までは分からないけど、息づかいはいつもより感じる。
「私、さっちゃんのこと大好きだよ」
「…んふ。俺も」
「この声で言ってるのまだ違和感あるから、戻ったら早く言いたい」
「いいね。俺も戻ったら初めに"好き"って言お」
ふたりの慎ましやかな笑い声がこの空間に響く。
いつもより大きく聞こえて、響く音が心地いい。
「……私も戻ったらそうなりたいって思ってるからね」
「……」
……微妙な間。
反応がなくて焦って。
「………………ごめん、今のな、」
"今のなし"
そう言おうとした瞬間。
さっちゃんの唇がぎゅうっと重なった。
首に回された腕が二人の距離を近くして、後ずさりしようとしてもこの狭い浴槽の中じゃそんなことできるはずもなく。
舌でこじ開けられた唇に、生暖かさが入り込んでくる。
激しく動き回るそれに翻弄されて、そういう気が育っていって。
激しく求めてくるさっちゃんの背中に、おずおずと手を回した。
…でも私ができるのはここまでなのよ。
早くそういうふうになりたい。でも今は無理なの。
この姿でそうなるのは、私には無理。
「、……ずりぃ…」
さっちゃんの唇が離れていって、絞り出すように呟く。
「戻ったらそうなりたいとか……ほんとずりぃ」
「…なんで」
「そんなん言われたら今すぐめっちゃくちゃにしたくなる」
「……」
「でも今その気ないんでしょ？」
「…うん」
「じゃあ言っちゃダメ」
それだけ言い残して浴室から出ていくさっちゃん。
その後ろ姿を見て、ふと視線を落としたらさっちゃんのモノ。
"これでどうにかされちゃうんだ…"なんて考えたら、のぼせそうになった。
*
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やっち(プロフ) - うさこさん、こんにちは。どの作品もとても良かったです。また作って欲しいです (2022年11月26日 7時) (
レス) @page47 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 完結お疲れ様でした！優しさの塊な智くんにメロメロになったりエロエロの智くんにキュンキュンしたり〜とっても楽しかったです。 (2019年6月24日 12時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - はるさん» はるさん、こんにちは！ほんと、私もさっちゃんと入れ替わりたい(笑)そしたらもれなくじっくり観察ますけど(≧∀≦)最後までおつき合いいただいて、ありがとうございました！ (2019年6月21日 13時) (レス) id: b1c7827c1a (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ていくさん» ていくさん、コメントありがとうございます！毎回楽しみにしていただいてたなんて…嬉しいです☆他のお話でも機会があればよろしくです(^^) (2019年6月21日 13時) (レス) id: b1c7827c1a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - うさこさん、おはようございます。とっても楽しかったです！さとちゃん格好良かったなぁ、私も入れ替わりたい←無理(^w^)結局二人が幸せで良かったです！ (2019年6月21日 9時) (レス) id: 4dabf2263b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2019年4月12日 20時
