6 ページ6
……そうだった、押し切られる形でリーダーさんの家にやってきたんだ。
「……それでなんで一緒に……」
「だめ？」
「え、だって、」
「うちらが恋人同士だと思わんかったら、他人は絶対ぇ思わないと思うけど」
「、」
「今から俺んこと好きんなるんだよ？」
「へ、」
「俺はもうAんこと好きだからいいけどさぁ」
"大丈夫かなー"って呟くリーダーさんを見て、めちゃくちゃなこと言ってるはずなのに嫌な気はしなくて。
むしろ、ワクワクしてきちゃってて。
「これから一週間、毎日デートだかんね」
「、毎日！？」
「んふふ。楽しみー」
そう言ってヘッドから降りて、部屋から出ていく。
開けっ放しのドアを見つめて今起きてることを整理。
私、突然リーダーさんの彼女になったんだ。
一週間限定だけど。ていうか昨日会ったばかりの人だけど。
…なのにこのしっくり感は何だろう。
嫌な感じが一つもしない。
ワクワクしてるのって変かな。
「……」
「ねーAー」
「、うわっ！」
急に近くて声がして体を揺らす。
「んふ。俺ん名前思い出した？」
「あ。……いや」
「大野智ね。智って呼んで」
「、呼び捨て!?」
「その方が早く仲良くなれると思わない？」
「……そっか」
妙に納得して首を縦に振ると、ふにゃって効果音がお似合いの笑顔を私に向けた。
「A」
「なに」
「名前。呼んでみて」
「、……さとし…」
「もっと甘えた感じで」
「えっ、…さーとしっ」
「可愛らしさがたんねーな」
「、失礼なっ」
「んふ、まぁAは元が可愛いからな」
「っ、」
「んふふ」
それだけ言ってまた姿を消した。
、……やば。何この状況。
久しぶりの(一応)彼氏という存在が、こんなにも甘いなんて……
しかも私のこと元が可愛いとか！
私とカレカノ感を出したいがために言ってることだとは分かってるけど、こんなにも自然に甘いこと言われちゃうとちょっと……！
「ねーAー」
「、え！？」
「これどー？」
「、なにが、」
「着替え」
智が持ってきたのは、白のカットソーに紺のロングスカート。
……え？なんでこんなものがここに？
「やだ？じゃあこれ」
「……いや…、」
「そっかー。似合うと思ったのに」
いやいや、シュンとしてる場合じゃないでしょ！
嫌じゃないけど、どういうことよ？
何でここに女物の服がこんなにあるわけ？
もしかして、元カノが置いてったものとか！？
ていうかむしろ、実はまだ別れてないとか！？
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 890人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさこ(プロフ) - みーこさん» みーこさん、こんばんは！楽しんでいただけてますかね(*^^*)続き頑張ります♪ (2019年8月21日 23時) (
レス) id: b1c7827c1a (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ラブラブ過ぎ〜（笑）お似合い過ぎ〜（笑） (2019年8月19日 20時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ようちんさん» ようちんさん、はじめまして！楽しんでいただけてるようでうれしいです！無邪気な智君、大好物です(笑)続きもがんばります(*^_^*) (2019年7月17日 20時) (レス) id: b1c7827c1a (このIDを非表示/違反報告)
ようちん(プロフ) - うさこさん。はじめまして！お話しすごいおもしろいです！仮の恋人ですけどヤバい！こんな智君なら可愛くて夢中になってしまいますよね！この先の展開が楽しみです！頑張ってくださいね(*^^*) (2019年7月15日 17時) (レス) id: 1b12d1d40f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うさこ
| 作成日時：2019年3月16日 10時
