17 褒められたら ページ17
「Aからそんな言葉が聞けるとは」
「、え、」
「俺に心開いて来てる証拠だな」
「……」
さっきとは裏腹に嬉しそうに笑う。
いや、今まで心を開いてなかったわけじゃないと思うけど。
開いてなかったら一緒に住んでなんかない。
……どういう思考回路……
「好きじゃないなら好きになればいい」
「へ？」
「例えば自分の好きなことをやってみるとか。なんか習い事してねぇの？」
「習い事……、、今までそういう余裕なくて…」
派遣社員なのよ。
家賃と生活費、ちょっと食事にでも行けばすぐなくなっちゃう。貯金もしたいし実家に仕送りだってしたい。
「ならこれからしてみれば？A歌うまかったじゃん。」
大真面目に歌とか言った。
歌って！
「いや、歌は好きだけど、大してうまいわけでは…」
「クラスん中で一番うまかったって。いや、学年で一番」
なんだろう、この持ち上げられてる感。
でもそう言われて悪い気はしない。
「……分かったよ、お世辞はもういいから」
顔が見られないように俯く。
絶対顔赤い。恥ずかしい。
「ははっ、Aって前からそうだよな」
「、え……」
「褒めると頬赤くなんの」
「、……小学生の時から？」
「小さい頃はうれしそうにしてたかな」
「じゃあ褒められて赤くなるなんて知らないじゃんっ」
「他の奴に褒められてんの見たことある」
「、、……あんたいちいち私のこと……、監視でもしてたの？」
「そういう言い方も出来る」
「こわっ、」
「お前が俺のこと避けてたからだろ。わざわざ話しかけないようにしてやったのぉ」
「、……」
そうなのか、そうだったのか。
確かに私は翔を避けていた。
惚れた腫れたに巻き込まれるのがいやだったから。
決定的だったのは小学生5年生の冬だ。
忘れもしないバレンタイン。
仲のよかったマユミちゃんが翔のことを好きだと言い出した。
Aちゃん仲いいなら取り持ってよ、なんてグイグイ来られて。
子供ながらにこの子のこの感情には関わらない方がいい気がして、『家が近所なだけで仲良くない』と咄嗟に言ってしまった。
思えばあの頃から翔をわざと避けていたように思う。
「……それはごめん」
「話しかけようとすると逃げられるし、理由も分からないまま急に避けられる俺の身にもなれよ」
「、悪かったけど、私だって大変だったのよ、」
「ほぉ。それは納得のいく説明が出来るってことだな？」
*
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うさこ(プロフ) - ちささん» ちささん、はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます！そんなに読んでいただいてるとは…嬉しいです♪私もあまり曲が聴けず、別の方の歌ばかり聴いてます(^^;)こんなことしてるうちに時間は過ぎてしまう……早く抜け出したいものです(T_T) (2020年1月26日 21時) (
レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ebi信号さん» ebi信号さん、こんにちは！コメントありがとうございます！私もこの世界のかれらはとっても好き！書きたい！書きたいのに……！うまく行かない事って有りますね(T_T)少しずつ回復してるはずなので、続きもちょこちょこ書いていきます！ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - のんびり更新楽しみにしてます！うさこさんの中で整理がつくことは難しいかもしれないですけど、何の暗い気持ちも持たないで書けるようになれるのを願ってます。 (2020年1月20日 17時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - はもっと大変だろうなと思います。私はお名前を拝借して自分の中で現実と似た別の人物を作り上げているから読めるものの一から作るとなると現実の方が頭に浮かびますよね…。私はしばらく歌すら聞けてません苦笑 うさこさんの話、どの作品もとても大好きなので (2020年1月20日 17時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - はじめまして、うさこさん。S上司や産婦人科医、私に構わないで、女友達やCHANGEなどたくさんうさこさんの作品は読んでいます。にのちゃんの件もしょーくんの件もよくわかります。私自身色々な作者さんの作品に逃避してるところがあるので、作り上げる作者のうさこさん (2020年1月20日 17時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2020年1月6日 0時
