9 9/28 ページ9
相葉くんとのデートが終わって、次の日。
昨日はまじで一日が長かった。
家にいても落ち着かなくて、部屋の中をウロウロ。
カーテン開けて、あの辺の居酒屋かな、とか。
いつもと同じならここにはAがいて。
あぁ、やっぱりあいつが誰かと付き合うとか……
それってイコール、俺と会わなくてもやってけるっつーことだよな。
翔「…………」
……やべ、泣きそう。
心臓をぎゅっと鷲掴みされたみたいな苦しさの中、
もうとにかく、自分が現実に存在してるのかすらわからなくなる感覚に陥った。
会社で相葉くんは"ばっちり！"って、ウインクという名の、どう見ても両目を強めに閉じただけの仕草をしてきたけど。
Aと会って話すまでは、心ここに在らずで。
今ようやく家でAを待ってるこの時間すら、ソワソワして無駄に部屋をうろついてる始末。
Aが相葉くんのことをどう思ったのか。
好きなタイプだと思ったのか、可愛い後輩だと思ったのか。
大学の時付き合ってたのが松岡先輩なら、相葉くんはあまりタイプではなさそう……だけど、
タイプなんて往々にして変化していくものだから、大学時代の、なんて全く当てにならない。
ピンポーン。
翔「、」
……来た。
できるだけ冷静に。
心臓が爆発しそうになるのをどうにか深呼吸で収めて、
俺は笑顔で玄関を開けた。
翔「いらっしゃい」
A「いらっしゃいましたー」
自分ちのように一直線にソファーに向かう。
結んでた髪を縛り直して、それが妙に色気を醸してて。
翔「どうだった？」
A「どうもこうも、相葉くんはハードル高い」
翔「なんで(笑)」
……よかった。
相葉くんのこと、そういう対象では見れなかったんだって確信。
A「彼、櫻井のこと好きすぎでしょ！私の入る隙なんて1ミリもない感じ」
翔「ふぅん」
A「とにかく櫻井の話ばっかするのよ。翔ちゃんが翔ちゃんがーって。ていうか、翔ちゃんって呼ばれてるのね(笑)」
すげぇほっとした。
Aが相葉くんを好きにならなくてよかった、
いつもの変わらぬAで、よかった、って。
ほっとして、Aの目の前に缶ビールを置く。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1512人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさこ(プロフ) - agoさん» agoさん、こんにちは！HPにも遊びに来ていただいてた方なんですね！ご縁に感謝です♪また楽しんでいただけるお話をお届けできるように頑張ります(^-^) (2019年9月27日 9時) (
レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ともさん» ともさん、お返事遅くなり申し訳ありません(>_<)翔君相手にこんな風になれる人、絶対いないですよね(笑)彼女は確かに鈍感すぎですが(笑)、翔君の周りのみんなが素敵な人たちでよかった(*^_^*) (2019年9月27日 9時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
ago(プロフ) - なんか読んだことある気がする、、、と思い読み続けて後書きを読んで納得しました！HPの方にご縁があったようです(^^)ステキなお話にまた巡り会わせて頂きありがとうございました(*´∀｀*) (2019年9月26日 22時) (レス) id: 2116815f11 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - なんか良いな。こんな二人の関係？まぁー翔くんがずーっと想いを寄せていたから続いていた関係なんだけどぉ…。彼女が鈍感でちょっとイラッとしてけど(笑)周りの仲間も翔くんの気持ちを大切にして…仲間っていいですよね(*^^*) (2019年5月7日 16時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - satomiさん» satomiさん、こんばんは！お返事遅くなり申し訳ありません(T ^ T)楽しんで頂けて何よりです(^^)コメントありがとうございました！ (2018年10月22日 21時) (レス) id: bf6cb008e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うさこ
| 作成日時：2018年9月27日 22時
