甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ10)

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50また教えてくれる？ページ10

「くっ、、…それから？」
「教頭とか、…あと日本史の阿部とか！」
「はっ、それはちょっと分かる(笑)」
「分かるの！」
「オタクっぽいしな。実際は違うみたいだけど」
「そうなんだ？、でも関係ないっ、見られたくない！」
「ふぅん。じゃ、相葉先生は」
「相葉先生？……は、まぁ別にいい……かな」
「櫻井先生は」
「櫻井先生も、別にいい」
「は、なんで(笑)」
「え、分かるでしょ」
「イケメンだから？」
「…と言うより、爽やかだから？」
「……ほほう」
「イケメン……とかは私よく分からないから…、とにかく爽やかだとは思う、あのふたり！」

二宮先生が軽く頷いてふと微笑む。

「じゃあ俺は？」
「え、」
「俺には見られたくない？」
「、……」

片方の眉を上げて、なんていうか、
……かっこいい……
…っ、て、いやちがうから！
目が、綺麗なだけで、かっこいいとは違うからっ！

「……」
「んな考えるかね」
「え、」
「あぁ、本人を前にして"見られたくない"はさすがに言えねぇか」
「、いや、」
「そーかそーか。ま、気にせず楽しんでこいよ」

机の上に置いてあった、借りるであろうその本をトントンと揃えて小脇に抱える。
もう行ってしまう。
ちゃんとお礼言わなきゃ、それから、

「二宮先生、」
「ん？」
「また教えてくれませんか、」
「ここよく来んの？」
「はい、、」
「ふーん……。、ま、そしたらここで会った日は教えてやるよ」
「ほんとに！？」
「けどあれだぞ、他の奴には、」
「秘密、ですね！」

…言うわけない、邪魔されたくない、と思ったのは、きっと二宮先生の教え方がわかり易かったから。
一対一だと、二宮先生の教え方は何倍も何十倍もわかりやすくて。
他の誰かに邪魔されたくないって、強く思った。

「よろしくお願いしますっ」
「見かけた日は、よろしく」
「はいっ」
「ふ」
「……っ、」

去り際、二宮先生の手が私の頭をぽん、と叩いた。
"じゃあな"って後ろ姿が、小さいくせにやっぱりかっこよく見えたような気がして……
頭を振ってその考えを払拭するのに、精一杯だった。

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