甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ37)

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77…それは無い 10/28 ページ37

お昼の時間。
いつものように、ナミちゃんとお弁当を広げて教室で。

「ね、ね」
「なに？」
「さっき松本くんからLINE来てね、今度一緒に遊園地どうですかって！」
「、うそっ、」
「ほんとなの！全っ然つれない態度だったのに突然！」

ナミちゃんが本当に嬉しそうに笑ってる。
スマホを握りしめて、画面に向かってほんと嬉しそう。
よかったねって言うと、ありがとって。

「で、Aはどうなってんの？」
「え？」
「貴公子！」
「、ああ、」

智くんのことね。

「……特になにもないよ」
「そうなの？いい感じだと思ってたのに」
「……」

なんと返せばいいのやら……
確かに期末テストで平均点以上取ったらデートって話になってはいたんだけど。
どこ行きたいか、とまで聞かれたんだけど。
……図書館で二宮先生に会ってしまって、二宮先生に勉強教えてもらいたいって、
その気持ちが大きくて、結局夏休み中に智くんとお出かけすることはなかったんだ。
しかも、あれから智くんと顔を合わせていない。
LINEだけでのやり取り。
声も聞いてないから、どんなテンションでいるのかも分からない。

「今日部活でしょ？」
「、うん」
「貴公子来るよね」
「……多分」

…来る……のかな。
来るよね、きっと。

「で、Aの気持ちはどうなの？」
「え？」
「貴公子のこと、好きだったりするの？」
「…それは無い」
「そうなんだ」
「うん」

意外にすんなり引き下がってくれて、ちょっとほっとした。
ナミちゃん、私と智くんのこといい感じだと思ってたって言ってた。
そういう雰囲気出てたんだ……

「…あ、ごめん、私職員室行かなきゃ」
「職員室？」
「うん、プリント取りに行かなきゃなんなくて」
「またニノ先生？」
「うん」

私の言葉に、ナミちゃんが何度も頷きながら、ふーんってニヤついた。
、、なに……

「Aってニノ先生に気に入られてるよね」
「えっ、」
「いっつもAに頼んでない？」
「それは席が目の前だからで、」
「それだけで毎回指名される？」
「、」

心臓がドクンって高鳴った。
そんなわけない、そんなわけないけど、
もしかしたら少しくらい希望があるんじゃないかって、
思いたくなる……

*