甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ36)

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76 無理かもページ36

授業が終わって分かったこと。
"やっぱり私、二宮先生が好きかもしれない……"

「……」

結局二宮先生ばかり見てて、板書を書き写すのが遅れた。
だって、好きなのか確かめたくて。
好きなのか好きじゃないのか、ハッキリさせたくて。
とにかく二宮先生を目で追ってドキドキして、目で追って勝手に笑っちゃったりしちゃって…

好きかもしれないって思うでしょ、普通。
変に否定するより、しっくりくるもの。
最初は嫌いだったけど、いいとこ見たらその反動で凄くいいものに見えてしまった。
きっとそう。

「松田」
「、はい、」
「まだ写してんの」
「すいませんね、遅くて」
「いや別にいいんだけど」
「私消しとくんで、大丈夫ですよ」

もう既にみんな教室から出て私たち二人。
二宮先生とふたり……
やっぱり、ドキドキする……

「じゃあ頼んだ。つーか悪いけど昼飯終わったらプリント取りに来てくれる？」
「分かりました」
「よろしく」

二宮先生が、余裕そうな笑顔を残して去っていく。

「……」

あれ、あれれ。
心臓が、ドキドキとか、そういうレベルを超えて、どっくんどっくんいってる気がする。
今の笑顔で、胸がすっごく痛い……っ、

ピシャッと閉じられたドアに視線を向けて。
さっきまでの世界が、今全く違うものに見える。
誰もいないのに、二宮先生だって出ていったのに。
やっぱり私、本当に二宮先生のこと……

ガラッ。

「っ、」
「悪ぃ、職員室な」
「、分かりまし、た」
「あ、ごめん。驚かせた？」
「いえ、」
「すんげー顔してる(笑)」
「え、」
「驚きすぎて顔真っ赤(笑)」
「っ、」

…さっきまで好きかもって、確信じゃなければやめればいいって思えてたはずなのに……
好きだ、本当に好きなんだ。
二宮先生が戻ってきてくれて、胸がぎゅうって締め付けられた。

「……」

……私、無理だ。
絶対、無理。
二宮先生を好きじゃなくなるの、

無理…

*