甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ34)

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74二学期初めての授業 10/25 ページ34

次の日。
やっぱり数学の授業はあって、今から教室移動。
お昼の前なのに。いつもならお腹空く時間帯なのに。
むしろお腹がいっぱい…というか、胸がいっぱいというか。
このソワソワした普通じゃいられない気持ちは一体なんなのっ。
もしかしたら本当にそうなのかもしれない思いと、さすがにそれはないんじゃないって、冷静になれよ、自分、って思いが交互に顔を出す。
ただもうとにかく、今胸が苦しいことは確か。
数学の用意を持って教室を移動して。
教室の目の前で人数の少ないこの空間に少し尻込みして。

「……A入んないの？」
「、え、あ、ごめん、」

あぁどうしよう、意識しすぎっ、
これで二宮先生が来ちゃったら私どうなるのよっ、
あぁそうだ、しかも私って、プリントとか運ばされる係だったじゃん！
いや、係ってこともないんだけど、何かと毎回頼まれてたんだ、
しかもアレだ。
私が二宮先生のことなんとも思ってないから。
絶対そういう感情抱かないと思われてたから、そんな係に…

「……」

…そっか、そうなんだ。
私、二宮先生のこと好きになっちゃいけないんだ。
一瞬ぐっとこみ上げる何かを感じて、やっぱり好きなのかもって。
そしたらどうするの？
…どうしようも出来ない。
普通に授業受けて、今まで通り。
何も無かったみたいに接すればいいんだ。
そうだ。だってまだ後戻りできる。
好きだって確信はないんだもん。
そう、だいじょう、

ガラッ。

「っ、」
「始めるよー。」
「ニノ先生久しぶりー！」
「なによ、お前勉強してたんじゃないの(笑)」
「なにそれ！」
「日焼けしすぎだろ(笑) 」
「ひどーい！私だってそれなりに塾くらいは通ってましたー」
「くく、」

教卓に教科書を置いて、背中を向ける。
チョークの長い短いを分けてるみたい。
長いのを寄って、手をパンパン叩いた。
キーンコーンカーンコーン。

「はい、号令」
「……」
「……ん？松田」
「、えっ」
「お前の仕事(笑)」
「、」

*