甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ31)

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近くの公園のベンチで、2人で並んで座る。

「どうぞ」
「どうも。……お、うまそ」
「最初に白状しますけど、唐揚げは昨日の残りを今朝もう一度揚げただけです。ほぼお母さんの手作り。」
「ほぉ。揚げもんできるの」
「時間通り揚げただけです。…卵焼きは私です。あとプチトマトとブロッコリー」
「くは(笑)トマトとブロッコリーもね」
「あ、ウインナーの炒め物も私です。あとハンバーグはお母さんの得意料理。美味しいですよ」
「……お前、俺の好物知ってんの？」
「え？なんですか」
「ハンバーグ」
「、」

ハンバーグ……好きなんだ。
かわいいな、子供みたい(笑)

「口に合うといいんですけど」
「作ったのお前じゃないでしょ(笑)」
「ですけど…」

楽しそうにわらって、目尻にシワが寄る。
いただきますってハンバーグを一番に口に運んで、"えっ、んま！"って目を見開いた。

「なにこれ、なに入ってんの、」
「さあ？お母さんに聞いてみないと」
「お前ん家こんな美味いハンバーグ食ってんの」
「まぁ…そうですね」

……嬉しいな、こんなに嬉しそうに食べてくれて。
そんなに美味しいんだ？
二宮先生の口に合ってたってことかな。

「マジでうめぇな。俺毎日これでいい」
「ふふ(笑)お母さんに頼んでみましょうか」
「それはお母さんに悪いから、レシピ教えて貰って来てよ」
「自分で作るんですか？」
「それもありだな、これマジで家庭で出せる味じゃねぇ」

ほんとに美味しそうに食べるな。
もっと食べたいかな。

「私のもどうぞ」
「、いいの？」
「私はいつでも食べられるし。それかたまに学校に持っていきましょうか？」
「え？」
「そんなに美味しいなら、ハンバーグだけでも」
「んー。さすがにそれはまずいな。学校でお前から弁当もらってんの見られたら、他の生徒からも貰わなきゃいけなくなるし」

味わうようにちょっとずつ口にする。
もうひとつどうぞって自分のお弁当箱を差し出すと、ちょっと恥ずかしそうに、はっ、て、短く笑った。

*