甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ28)

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68助手席 10/15 ページ28

助手席に乗り込んで、大体の方向を告げた。
車内で流れてる音楽は、よく耳にするJPOP。
この歌好きなんだ……
誰だったっけ、
でも確か、ドラマの主題歌だったような。

「…二宮先生、この曲好きなんだ？」
「ん？あぁ、出てるキャストが好きで」
「へぇ、誰がでてたっけ？」
「竹内結子」
「二宮先生ああいうタイプが好きなんだ」
「ああいうって(笑)？」
「綺麗なお姉さん？」
「くく。そうだな、綺麗なのに越したことない」
「ですよねー」

……ほらやっぱり。
だからそうなのよ。
好きな女優とか聞いても別になんとも思わない。
もし私が二宮先生のこと好きだったら、こんなふうに冷静じゃいられないわよ。
だって、好きな人のタイプが竹内結子って。
あんな綺麗な人とは程遠いって、落胆せざるを得ないでしょ！

それから耳馴染みのある歌が流れる車内で、余り会話をすることもなく。
変なの。
こんな密室で、こんな近くにいて。
話をしないこの時間、こんなに長かったなんて。
いままで車なんて家族の以外ほぼ乗ったことないし。
男の人の車に初めて乗るのが、まさか二宮先生とか、考えもしなかった。

「そこ左で、真っ直ぐいった突き当たりの左の家です」
「、え、まじで？」
「、なんですか……」
「や、突き当たりの家、友達んち」
「、え！？」
「千葉ちゃんちだろ？友達友達(笑)」
「……」

……うそ、
千葉ちゃんって、もしかしてマサエちゃんのこと？
確かに同じ学年……

「高校んとき俺遊びに来てたけど(笑)」
「、え？」
「いやー、世間は狭ぇ」

相当ツボに入ったらしく、かなり笑ってる、けど……、

「交流あんの？」
「え、……むかし、小さい頃遊んでもらったことなら…」
「すげぇ偶然(笑)んなことあんのな」
「……」

信じられない……けど、二宮先生がマサエちゃんの友達？
いや、遊びに来てたってことはもしかして、付き合ってた……とか？

「……」

……やだ。
二宮先生とマサエちゃん……、
……また、胸がザワつく……

*