甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ25)

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仕方ないからもう帰ろうってシャーペンと消しゴムを筆箱にしまってると、

パコン、

誰かに頭を叩かれて、顔を上げる。

「、…二宮先生…」
「やってるやってる」
「やってるやってるじゃないでしょ、」
「え、なにお前、怒ってんの？」
「は、教えてやるとか言ったくせに全然現れないし！」
「はー？俺だってそんな暇じゃないんだけど」
「分かってますけど！」

なんだろう、二宮先生の顔みたらムカッて。

「…まぁそんなに勉強見てほしかったなら、見てやるけど」
「お願いしますっ」
「今日はなにやってんの」
「小論文です」
「あぁ、小論文なら簡単。要点押さえときゃなんとでもなる」

二宮先生が図書館に現れたのが14時。
それから2時間、みっちり教えてくれた。
小論文やって数学。
やっぱり、数学は桁違いに分かりやすい。

「ありがとうございました」
「どういたしまして。で？もう帰んの？」
「え、…はい」
「送ったげる」
「え、」
「プールの？あれ見ちゃね。もし帰りになんかあったら後味悪ぃし」
「後味って」
「くは。でもまじで、ちょっと心配」

くしゃって目を細めて。
爽やか……ではない、なんだろう、
ねっとり？ってわけでもない、
……この笑顔は、なんと呼べばいいんだろう。
胸の奥がザワっとするような。
でも小気味のいい、……

自分の中の訳の分からない感情に困惑して。
図書館を出ていく二宮先生の後ろをついていく。

「、二宮先生、」
「ん？」
「や、いいんですか、生徒送ったりして…、」
「え、なんで？」
「だって、……」

もしかして勘違いされたりとか、しない？
そんなこと言ったら図書館で勉強見てもらってる時点でかもしれないけど、
車ってなんか、二宮先生の車に乗るってなんか、
…ちょっと特別なことな気がしちゃってる私は、おかしいのかな……

「……」
「なにお前、俺のこと好きなの？」
「、は！？」
「なわけねぇか(笑)それなら全然いいでしょ」
「、」
「どっちか好意を持ってたら、アウト」
「…」
「でもお前と俺じゃ(笑)」
「……」

*