甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ23)

今日:7 hit、昨日:15 hit、合計:179,225 hit

63信頼ページ23

「…ありがと」
「どういたしまして(笑)」
「……」
「……ねーAちゃん」

今までと少し違う雰囲気。
真剣な目。

「…Aちゃんて、二宮先生と仲いいの」
「え？」

……何その質問。

「……なんで？」
「なんとなく」
「私と二宮先生が？」
「ん。」
「え、それはそう見えたってこと？」
「…見えたような、見えなかったような？」
「なにそれ(笑)」

変な質問って、胸がちょっとザワつく。

「んふ。でもAちゃん、二宮先生のこと信頼してんのかなと思って」
「……そう見えたんだ」
「うん」

……信頼……
そんなところからはかけ離れた存在だと思ってたけど、確かに今は。
プールで助けてくれたから、って言われれば、少しは信頼、してるのかもとは思う。
それに昨日、勉強教えてくれたし。

「……」

図書館で勉強、また見てくれるって約束したんだった。
また図書館で会えたら、勉強見てもらえるんだ…

「…………」

ドクンって、１回心臓が強く脈を打つ。

「っ、 …」

不思議な感覚。
二宮先生に勉強見てもらうだけだもの、別に緊張してる訳じゃない。
でもこの不思議な感覚はなんだろう…

「…そういえばAちゃん、デートの話」
「え、」
「Aちゃんどこ行きたい？」
「私は…」

……それから何を話したか、あんまり覚えていない。
結局智くんが、ここは？ここは？って言ってくれたけど、いいね、そこもいいねって。
全然集中できなくて、相槌を打っていただけ。

…理由は分かってる。
さっき、智くんに二宮先生のこと信頼してるように見えたって言われたから。
というか、なんだろ…
二宮先生のこと考えたら。
最初あんなに性格悪い嫌な奴って思ってたのに、信頼してるようにみえた、なんて言われたら。

……あれ、私って二宮先生のこと嫌いなのかなって。
昨日図書館で勉強教えてくれて。
前に塾で教えてていい大学にも送り出してたとか。
あんなに嬉しそうに話す姿を見て、やっぱり嫌な奴なんて、ちょっと思えなくなってる。
いい先生じゃんって。
最初のあの態度は置いといて、今はもういい先生になってる。
好き嫌いは横に置いといて、
信頼してる先生……ではあるのかも。

*