甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ19)

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「じゃあ、私こっちだから」
「俺送る」
「えっ、いいの！？」
「うん。Aさんのあんな話聞いたら、ちょっと心配だし」
「、うん！」

ナミちゃんがこの上なく嬉しそうにうなずく。

「貴公子はどっち方面？」
「、……俺、Aちゃん送るから」
「、」
「……」

智くんが見てるのは……

「……」
「……」

……二宮先生の方……
でも二宮先生はそんなこと全然気にしてなくて。
ちらっと智くんを見て、可愛いものを見るみたいにふって笑った。

「じゃあみんな、気ぃつけて帰れよ」
「はーい、ニノ先生も美人だから気をつけて！」
「んだそれ(笑)」
「ニノ先生こそ変な男に襲われそうだよ？」
「へいへい。男子諸君も送り狼になんないように気ぃつけて」
「っ、」
「っ、」
「やだ先生っ、余計なこと言わなくていいよー(笑)」
「っ、」

ナミちゃんの爆弾発言に、みんな一斉に視線を集めた。
余計なことって！
それはなに、別に送り狼になってもいいんだからってこと？
そりゃあれだけ露出度高めな水着着てたら、そしてあの姿を見てしまったら。
誰だって狼になってもおかしくない…っ、

動揺してるのを隠そうと目が泳いでる松本くん。
私もそういう意味では全然大人じゃないけど、可愛いなって思うのは年下だから…なのかな。
智くんは、ナミちゃんと松本くんを交互に見てる。
ナミちゃんの顔を見てちょっと難しい顔して、その視線は私に向いた。

「、え、」
「俺はそんなん絶対ぇなんねー」
「、」
「付き合ってもねーのにおかしーだろ」
「……」

……ドキッとした。
あ、本当に私のこと好きでいてくれてるのかもって、
初めて思えた気がする。
好き同士になって、だから送り狼が成立するわけで。
好き同士でもないのに勝手に狼になったら、それって犯罪レベルだよね。

「……松本くん、どう思ったかな」
「……さぁ。…ねぇ、ナミちゃんは尻軽なの？」
「えっ、」

人の友達をそんなふうに…！と思ったけど、仕方ない。
確かに私も、今の発言にはびっくりしたし。

「……そういう話、ナミちゃんとあんまりしたことなくて……」
「…そっか」

*