甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ17)

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57俺だってそれなりにページ17

「でもま、満更でもないんじゃねぇの」
「え？」
「大野？可愛いって2年のやつが噂してたけど？」
「え、」

…そうなんだ、智くんて、人気あるんだ。

「……」
「あ。余計な事言った(笑)？」
「、なんですかそれ」
「いや(笑)」

それから少し無言で。
更衣室に向かう途中、いろんな人とすれ違った。
大学生のお姉さんかな。
ナミちゃんよりすごい水着の人がいる。

「…二宮先生は、ああいうのがタイプ？」
「え？」
「ほら、あのビーチボールしてるお姉さん」

私が指さす方を向いて、じぃっと。

「…それはなんのタイプ？」
「え」
「顔のこと？水着？」
「、……水着？」
「はっ(笑)、水着ね(笑)」
「…」
「どうかな。あのおねえさん、すげぇ露出度(笑)」
「うん、取れないのかな、あれ。心配にならない？紐のリボンとか」
「まぁ、意外に取れにくくなってんじゃねぇの」
「そうなの！」
「さぁ(笑)？」

くふふって笑って目をそらす。
リボン結びが取れにくくできるってどういうこと？

「肩紐とか取れないの、結んでるだけなのに！」
「ああいうのは本当は繋がってて、飾りで結んでるだけとかあんだよ」
「え！？」

そうなんだ、って思うのと同時に、なんで二宮先生知ってるのって。
もしかして女装とか……っ、

「……」
「……なんだよその目は」
「…もしかして、女装趣味とか……」
「なわけねぇだろ(笑)俺だってそれなりに、」

そこまで言って、言葉が詰まった。
ん？なに？ってじいっと見つめてると、バツが悪そうに頭をかいた。

「…………あ……いや、今のなし。」
「……」
「お前に、そんな、……ん。ごめん」
「…いえ」

最初、何を言ってるんだろうって不思議に思ったけど、徐々に理解してきた。
俺だって、それなりに？
それは、俺だって水着がどうなってるかくらい知ってるよってこと。
それなりに、は、多分。
…水着を脱がせた経験くらいあるよ、ってこと。
当たり前だけど、ちょっとショックなのはなんでだろう。
それって、そういう経験あるよ、ってことだよね……

*