甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ16)

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「どうする？」
「……二宮先生は何時までなんですか」
「ん？」
「見回りの時間…」
「俺？俺は別に」
「え、」
「…しいていえば、お前が無事に家に帰れるまで、かな」

ふって優しげに笑う。
目尻にしわが寄って、あれ、本当に優しい。
どうしよう、、
そんなこと言われて、ドキッとしない人とか、いるの……っ、

「……帰ろうか」
「……はい」

二宮先生が先に立ちあがって、ん、って手を差し伸べてくれる。
それに甘えて手を伸ばして。
触れた瞬間、温かくて柔らかいそれになんだかドキ。

……今日の私はもしかしたら少し変なのかもしれない。
こんなに二宮先生にドキドキするんだもん。

「今の高校生ってマセてんのな」
「、そうですか？」
「あの友達？ナミちゃんだっけ？露出度高すぎだろ」
「、見たんですか！」
「あぁ、ずっとあっこに座ってたからな。けどだれも気づかねぇ(笑)」
「幸薄いんですかね」
「さらっと傷つくこと言うな(笑)」
「ふ(笑)」

二宮先生の隣で歩くのは、なんだか心地いい。
自分が水着なのに、二宮先生が普通の服着てるのが可笑しいけど。
きっと怖さを和らげようと話しかけてくれてるんだってわかったから、嬉しかった。

「そういえば、大野と松本と一緒だった？」
「、え、」
「4人でいたろ」
「、……」

……知られたくなかったって、瞬時に思った。
、ていうか、私、智くんと付き合ってるって思われてなかった？

「あ、」
「1年と3年って俺じゃ考えらんねーわ」
「え……」
「1年男子から見た3年女子って、夢のような話じゃん」
「、…そうなんですか…」
「そうだろ(笑)」
「……」

……そうなんだ、
夢のような話……、
じゃなくて！

「私、付き合ってませんから、」
「、え？そうなの？」
「付き合ってません」
「ふうん。てっきりそうかと」
「だと思いました」

そこまで言って、ふと思い出したのは、傘を貸してくれたあの時のこと。
あの時、付き合ってるんでしょって感じにされて、絶対勘違いしてるって思ったんだ。

*