甘い囁きは、教室で 2【N/O】10/28 (ページ15)

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2日連続二宮先生に会えるなんて。
少し運命的だ、なんて思ったことは内緒にしておこう。
だって別に、好きってわけじゃないし？
なんなら嫌いな部類だったし！
そうよ、かっこいいって思ってしまったのは、会えると思ってなかった場所で会えたからで。
あんなふうに助けて貰えたら、かっこいいって思ってしまうの仕方ないっていうか。
会えたらいいなと思ってた訳でもないし、たまたま会えちゃっただけだし。

…でもなんていうか、ちょっとした優越感。

それから二宮先生の隣に座って、しばらく膝を抱えてた。
ここにいたら変な人に見られることもないし、変に動いてつぎはなにかされるかもと思ったら。
わざわざナミちゃんたちを探す気にはなれなかった。

「落ち着いた？」
「……はい」
「飲みもん買ってくるか」
「っいや、…ここにいてください」
「……ん。わかった」

さっきの人がもし目の前を通ったら、とか。
そう思っただけで、誰かが近くにいてくれないとどうにかなりそうで。

「……帰る？」
「え、」
「更衣室行ったら友達に置き手紙でもして。送ってやるし」
「、でも、」
「俺がなんでこんなとこで見回りしてるか分かってる？」
「…」
「ハメ外さないように、もあるけど、生徒を変な輩からまもるためでもあんの。お前は俺の生徒で、ひとりでいるのが怖ぇんだろ？」
「……うん」
「なら甘えなさい。送ってやるから。」
「、いいんですか、そんな…」
「俺別にお前のことお持ち帰りしようとしてるわけじゃねぇし(笑)」
「え、」

、お持ち帰りって……っ、
そういうことを連想させる言葉を言われたことなんかなくて。
しかも二宮先生にっ、
そんなの言葉のアヤって分かってるけど、そういう言葉生徒にかけるってちょっと…っ、

「ただ送るだけでしょうが。更衣室出たとこで待っててやるから」
「……」

……優しいなって。
あれ、すっごく優しい。
あんなに嫌な奴だったのに、
無理やり帰るのを強要するわけでもなく、お山座りしたままこっちを向いて小首を傾げた。

*