245低い優しい声 ページ5
A「…、…うぅ…」
目を覚ますと、少し頭が痛い。
身体は疲れてるけど、なんとなく軽い気がする。
…あ、暗くなってる…
時計を見ると、既に8時。
…そっか、食事会の後気持ち悪くなって、吐いたんだっけ…
A「…はぁ…」
食べ過ぎて吐くとか…
情けないし、恥ずかしい。
そう言えば、交渉がうまくいったかどうかも聞けてない。
A「っ、」
そうだ、確かタクシー降りるときに名前を呼ばれて、それを無視して部屋に戻ったんだ、
もしかして私のこと気にしてくれてるかも…？
いや、私が翔君を怒らせてるんだもん、都合よすぎか…
でも、さっき名前で呼んでくれた。
松田、じゃなくて、A、って…
急いでバッグの中からスマホを取り出す。
着信が1件。
…16時36分…
15時半くらいに帰ってきて、心配して掛けてきてくれたのかな…
でも着信はその一件のみ。
LINEもない。
既に20時。
…三時間半、何の連絡もないんだ…
スマホの画面がじわりと滲んでいく。
もしかしたら、この一回の連絡は社交辞令みたいなものだったのかも…
一応気にしてる振り、なのかも…
だって彼女なら、気になってもう少し連絡くれたりするものなんじゃないの？
三時間半も何の連絡もしないっていうのは…
…もう、翔君は私の事なんて全然彼女となんて思ってなくて、早く別れたいと思ってるのかも…
自分で蒔いた種なのに。
後悔なんてしてもどうしようもないのに。
…今は涙を止められそうにない。
スマホにポタッと流れ落ちて。
防水じゃないのに、なんて、冷静に考えてる自分がいることに呆れる。
…でも、分かっていたもの。
翔君は私を見限ったのかもって。
もう私のことは、好きじゃないのかもって…
A「……うぅー…」
ベッドの上でお山座りで顔を伏せて。
声を押し殺して体をぎゅうっと縮こませた。
もうやだ、まだ3日あるのにこんな状況で、どうすればいいの？
本当に、もうやだ…
なんであのとき酔いつぶれてしまったんだろう、
なんで智君とふたりで飲みに行ってしまったんだろう、
何で、私ってこんなに考えなしなんだろう、
もう本当にダメなのかもしれない、
翔君は許してくれないのかもしれない…
涙が止まらなくてベッドの中でうずくまって泣いてると。
「…おい」
私しかいないはずのこの部屋で、
低い優しい声が響いた…
*
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ebi信号(プロフ) - いやいやいや。ちょっと待って…早く寝なきゃダメなのに、止まらないー (2019年12月16日 1時) (
レス) id: 99a6a11134 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - みかぽさん» みかぽさん、こんばんは！翔君の気持ちもJ伝いながら分かり、ようやくこの緊張感から抜け出せそうです(*^_^*)引き続き頑張ります♪ (2018年2月17日 22時) (レス) id: 1f73178a9e (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - こんにちは！ 謎だった翔くんの頭の中が垣間見えて心底ホッとしました！！潤くん、ナイス！ 続き楽しみにしてます！ (2018年2月12日 13時) (レス) id: 952df20f4c (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - keiさん» keiさん、こんばんは！そうだったんです、翔君(笑)そしてJの良さが引き立つ！ふたりの気持ちはどうなっていくのか、そして智君は…。引き続き頑張ります(｀･ω･´) (2018年2月11日 22時) (レス) id: 1f73178a9e (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やこさん» やこさん、こんばんは！お互いの気持ちを伝え合うまで後少し！頑張ります☆ (2018年2月11日 22時) (レス) id: 1f73178a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2017年12月20日 23時
