京都 ページ10
「さあ、京都へ着いたわよ!」
「「「わーいっ!!」」」
園子の掛け声と子供達の元気な声に回りの大人達は微笑ましそうに目を細めた。
「にしても新幹線でも思ったがスゲー面子だな。」
頭を掻きながら眉根にシワを寄せた人物に萩原が笑いかける。
「ホントそれね!
ねえね、松田ってホントに刑事なの?
ガラが悪すぎて怖い人に見えるよ?」
「うっせーな!
こちとら歴とした警察官だボケ!」
萩原と松田のやり取りに降谷は思わずそちらに目を向ける。
新幹線の中で再開した彼らはやはりかつての親友同士あっさりと打ち解けた。
“萩仁美”と名乗る彼は姿こそかつてとは違うが自分達のよく知る萩原本人であった。
それを知るのはここでは降谷と刀剣達のみ
降谷にはそれがとてつもなくもどかしい。
伝えてやれればどれだけ楽か、どれだけ幸せか、そんな事を考えていたら伊達が俺のかたを叩いた。
「俺、あいつのあんな顔久しぶりに見たよ。
あんたのお陰だ、ありがとな安室さん。」
偽名を名乗る降谷になにも聞かず黙ってそれを受け入れてくれた伊達に俺ももう一度松田を見る。
萩原を失ってから正義の中に怒りと憎しみを混ぜたような瞳をしていた彼は今は楽しそうに笑っていた。
「……僕はなにもしていませんよ。」
そう返して改めて回りを見ると松田の言うとおり本当にすごいメンバーだ。
毛利小五郎に娘の蘭、彼女の友達の園子と世良、西の名探偵の服部にその連れの和葉と少年探偵団の5人に阿笠、コナンに誘われたという沖矢となぜだか集った松田、伊達、変装した諸伏、変化した朱雀と萩原を始め刀の神である五虎退と加州……
すごいで片付けられるメンバーかも怪しくなってきた。
「あっ、自己紹介しとらへんな!
うち和葉言うねん、よろしゅうな!」
「僕は沖田大和、よろしくね。」
「「沖田??」」
顔を見合わせた服部と和葉に加州は首をかしげる。
「どうしたの?」
「いやな、俺等の友達に沖田総司っちゅうやつがおってな?」
「せやからビックリしてもうてん!」
「……へぇ、“沖田総司”、ね」
目を細めた加州に五虎退が嬉しそうに抱きついた。
「大和さん、見てください!
綺麗な紅葉のはを拾いました!」
加州がそちらに目を落とすと五虎退の手の中には確かに美しい紅葉が乗っていた。
「ほんとだ、凄く綺麗だね。」
五虎退の頭を撫でる加州は持っていかれそうだった心を撫で下ろし安堵の息をはいた。
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吹雪(プロフ) - コメント感謝しますm(__)m返信、更新ともに遅れて申し訳ないです。これからもよろしくお願いします! (2018年10月15日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
泉 - とても面白いです!更新楽しみにしています(^O^) (2018年10月8日 15時) (レス) id: 43f343ee39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吹雪 燐 | 作成日時:2018年10月2日 20時