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一月前のことを思い出していたら店から降谷が出てきた。
それを確認するといつも通りの笑顔を浮かべて歩み寄る。
「お勤めご苦労様であったな。
帰るか？」
「ああ、待たせてすまないな。」
それに気にするなという意味を込めて首を降ると二人で車まで歩く。
「コナン君達が言っていたよ。
楓お姉さんはあんまり長くお話ししてくれないってな。
まったく、愚痴を聞かされる見にもなってみろ。」
降谷の発言に朱雀は他人事のように軽く笑う。
「それは大変であったな。」
「他人事だと思って……
なんで彼らが来たらすぐに帰るような行動をとるんだ？」
そこまで話したところで車にたどり着き二人で乗り込むと降谷は朱雀を見る。
「なにもない。
そなたの霊力以外は感じられぬ。」
それを聞くと降谷はホッと息を吐きエンジンをかけた。
「……それで、なぜだ？」
先程の話に戻した降谷は運転しながらチラリと朱雀に視線を送る。
「ああ、その事か。
我は歴史を変えてはならぬ。
故にあの者達と長く関わることはできぬのだ。」
朱雀は当たり前のように答えた。
降谷はそれが何故かとても悲しかった。
つまり朱雀は誰とも仲良くなることができないのだ。
降谷以外の人間と関われず、友を作ることさえ許されない。
彼女は自分を刀だという。
だが何度言われたとしても人の姿をしている以上降谷には人の心があるように見えてしかたがない。
「寂しくはないのか？」
こぼされた言葉に朱雀はわからないという顔を向ける。
「それが現世に出るときの決まりだと言われておる。
我らとて馬鹿ではない故ことの重要性は理解しておるつもりだ。
寂しいなどと思ったことはないな。
それに……」
朱雀はスッと目を細めて苦しそうに吐き出した。
「我は一人でおる方がよいのだ。
我の存在は誰かを不幸にすることしかできぬのだから。」
車を運転する降谷に朱雀の表情を見ることはできなかったがあまりに苦しそうなその訴えに思わずブレーキを踏み路肩に車を止めた。
「……お前が何でそんなことをいうのか分からないが少なくとも俺はお前に会えて幸せだと思っているからな。」
しっかりと目を見て告げれば朱雀は困ったように笑う。
「それは、困ったなぁ……」
彼女は自分の死を理解している。
だからこそ彼女は怖かった。
自身が折れたとき彼が不幸を感じることがありそうで怖くてしかたがなかった。
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吹雪(プロフ) - 僕も陰陽師大好きです！この作品は世界観が瞑想している気がしますがそう言っていただけると嬉しく思います。これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年5月7日 21時) (
レス) id: 46e13fa611 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 陰陽師(野村萬斎&伊藤英明さんの映画)好きの私…タイトルに興味を惹かれて読んでみたのですが、世界観に一気に引き込まれました。更新頑張って!！ (2019年5月6日 20時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったらリボーンのツナ♀逆行か雲雀の姉か妹か娘がワールドトリガーかヒロアカかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも応援します (2018年3月13日 22時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 苦手なお話に挑戦してくださってありがとうございます。そういった方からの嬉しいお言葉はとても自信になりました。これからもよろしくお願いします！！ (2018年2月20日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 刀剣女士の話は少し苦手でしたがこのお話は何の疑問もなくすんなりと読めました。改稿も程々で誤字脱字も少なかったのでとても読みやすかったです。更新心待ちにしています！ (2018年2月20日 8時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹雪 燐 | 作成日時：2017年9月14日 19時
