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朱雀が放った殺気はあまりにも強すぎて裏世界で生きている人間にしか感じ取れないものだった。
だがそれも一瞬でこの場で気づいたのは降谷だけであった。
そのあと朱雀は代金を置くと店を出ていった。
店を出た朱雀はそのまま路地裏に入り近くに誰もいないことを確認すると戦闘装束に姿を変え抜刀する。
「我のしたこともそなた等のやろうとしておることと代わりはないのだが、すまぬな。
これも仕事の内だ。
さあ、共に舞おうぞ。」
その言葉を合図にするかのように禍々しい気を放つ異形の者が姿を表し襲いかかってきた。
しかし朱雀はそれらを前にしても臆することなく敵の血飛沫を背景にしながら舞うように戦っていた。
最後の敵が倒れると同時に朱雀は刀についた血を払い鞘に納めると表情を消した。
「歴史を変えた物が歴史を変えようとしていた物を斬るとはな……
我こそ裁かれなければならぬ身であると言うに。」
朱雀についた血以外は時間遡行軍達の亡骸と共に消えあとに残ったのは大小折れた刀だけであった。
「次の世はお互いに恵まれた本丸で過ごせるとよいな。」
そして懐から笛を取り出すとゆっくりと弔いの笛を奏で始めた。
一通り吹き終わると術で返り血を消し空を見上げる。
空には一月前と同じように三日月が浮かんでいた。
「……あの夜も確か三日月であったな。
まったく、そなたは我が後ろめたい思いをすると必ず我を見下ろしておる。」
ため息をはいた朱雀はポアロに向かって歩き出す。
そろそろ降谷が帰ってくる時間だ。
「透にバレたらどうなるかのう。
一月前の“赤の刀”、その再来が我の仕業であると。」
捨てられるか折られるかのどちらかだろう。
降谷が真っ当な審神者であったなら刀解や封印といった選択肢もあったのだろうが彼は政府が認めた審神者ではない。
知識は朱雀から与えられたものしか持ち合わせていないのだ。
朱雀はポアロの裏口まで来ると壁に背を預け目を閉じた。
思い浮かべていたのは１か月前の“赤の刀の再来”……
あの三日月の夜のことだった。
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吹雪(プロフ) - 僕も陰陽師大好きです！この作品は世界観が瞑想している気がしますがそう言っていただけると嬉しく思います。これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年5月7日 21時) (
レス) id: 46e13fa611 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 陰陽師(野村萬斎&伊藤英明さんの映画)好きの私…タイトルに興味を惹かれて読んでみたのですが、世界観に一気に引き込まれました。更新頑張って!！ (2019年5月6日 20時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったらリボーンのツナ♀逆行か雲雀の姉か妹か娘がワールドトリガーかヒロアカかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも応援します (2018年3月13日 22時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 苦手なお話に挑戦してくださってありがとうございます。そういった方からの嬉しいお言葉はとても自信になりました。これからもよろしくお願いします！！ (2018年2月20日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 刀剣女士の話は少し苦手でしたがこのお話は何の疑問もなくすんなりと読めました。改稿も程々で誤字脱字も少なかったのでとても読みやすかったです。更新心待ちにしています！ (2018年2月20日 8時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹雪 燐 | 作成日時：2017年9月14日 19時
