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「はっ、よもやこのようなことが起きるとは思わなんだ。
本に刃生というものは奇なるものよのう。」
「なんの話だ。」
苦笑する朱雀には降谷の指す人物がわかってしまった。
そしてその人物にその言葉を教えたのは紛れもなく自分自身である。
１２年前、審神者を始めたばかりの“主”は十にも満たない少年だった。
つまりはそういうことだったのだ。
朱雀が降谷に出会ったのは偶然ではなく必然で、降谷は審神者が信頼し助けを求める相手であったのだ。
最後の力を振り絞って折れた朱雀をこの時代に送り込んだのは他ならない自信が愛した主であった。
「おい、聞いているのか？」
先ほどからまったく話が通じない朱雀の様子を降谷は心配そうに見つめる。
「あいすまぬ。
透よ、帰ろう。
先程瓦版に載っていた事件の事で話したいことがある。」
あっさりと話を切り替えいつも通りの笑顔を浮かべる朱雀に降谷は一つため息をこぼした。
こうなったらてこでもはぐらかされることを降谷はよく知っているからだ。
朱雀は絶対に嘘はつかない代わりに隠し事は多い。
話してくれるまで待つしかないのだ。
頷いてから車に乗り込むように指示を出して盗聴機などが仕掛けられていないか確認する。
そういったものがないとわかったところで降谷は車を走らせながら口を開く。
「そういえばそんな話をしていたな。
あれがどうした？」
「あの記事には“七年前に起きた中学生女子刺殺事件未だ解決せず”と記されておった。
そしてその中には別名“赤の刀”と呼ばれておるという文面も確認できる。
赤の刀とは我の別名だ。
我の刀身は赤く、その見た目から朱雀という名がついたのだからな。
だが現場から刃物は見つかっておらず足跡等の痕跡も残ってはおらぬ。
刃渡りは約１尺６寸(51センチ)程で長脇差しに分類される。
それもまた“朱雀晴明国永”と同じだ。
さらには刺してから抜くまでの間に刃物のブレがないことから素人ではなく刀を使い馴れたものの犯行であるとまで記されておった。
ここまで言えばわかるであろう。
この事件の犯人は刀剣男士“朱雀晴明国永”だ。」
言い切った朱雀に降谷は思わずブレーキを踏みそうになる。
「ば、馬鹿かお前は。
確かにお前を見つけたのはあの事件の後だ。
だがお前の話からするとお前はここに来る前に折れていたんだろ？
それなら犯人がお前ってことは無いんじゃないか。」
朱雀のあり得ない告白に降谷はとても混乱した。
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吹雪(プロフ) - 僕も陰陽師大好きです！この作品は世界観が瞑想している気がしますがそう言っていただけると嬉しく思います。これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年5月7日 21時) (
レス) id: 46e13fa611 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 陰陽師(野村萬斎&伊藤英明さんの映画)好きの私…タイトルに興味を惹かれて読んでみたのですが、世界観に一気に引き込まれました。更新頑張って!！ (2019年5月6日 20時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったらリボーンのツナ♀逆行か雲雀の姉か妹か娘がワールドトリガーかヒロアカかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも応援します (2018年3月13日 22時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 苦手なお話に挑戦してくださってありがとうございます。そういった方からの嬉しいお言葉はとても自信になりました。これからもよろしくお願いします！！ (2018年2月20日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 刀剣女士の話は少し苦手でしたがこのお話は何の疑問もなくすんなりと読めました。改稿も程々で誤字脱字も少なかったのでとても読みやすかったです。更新心待ちにしています！ (2018年2月20日 8時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹雪 燐 | 作成日時：2017年9月14日 19時
