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目の前で悲しそうな顔を向ける仲間達に朱雀は不謹慎にも少し嬉しかった。
自分の最後がこんなにも沢山の仲間に看取られることを思うと久しぶりに自然と笑顔になれる気がする。
審神者の闇討ちなど失敗することは始めからわかっていた。
わかっていても止めることができなかった。
朱雀晴明国永、それが朱雀の本名だ。
平安の中頃、安倍晴明によって打たれその加護を得た朱雀は様々な術が使えた。
しかし、今その術は訳あって使うことが出来なかった。
術が使えなければ相手の術を返すことも出来ない。
だからこそ負けたのだ。
いかに剣術が強くても自身を縛る言霊を破れなければ相手を斬ることなんて出来ないのだから。
朱雀は自嘲気味に笑った。
「謀反とは良い度胸じゃねえか。
まあその勇気を称えてお前の兄貴にあの世に送ってもらえ。
よかったなぁ、想い人の三日月まできてくれたぞ。」
言霊によって誰よりも前に連れてこられた兄と元恋仲にはこの役は一番酷かもしれない。
自分は誰かを幸せにすることなんて到底出来ないのだと改めて感じさせられた。
「兄様、三日月、皆……
あいすまぬ、あいすまなかった。
我の呪いのせいで皆は堕ちることも折れることもできなくなってしまった。
ほんに我の身勝手な行いを最後に詫びさせてくれ。」
自分の兄が一歩一歩近づいてくるを朱雀は笑顔で見届ける。
三日月はただただ泣きながらそのようすを眺めていた。
「紅っ、にげ、ろっ！！」
鶴丸は言霊で操られながらも必死に朱雀を逃がそうとしていた。
振り上げられた刀をしっかりと見据え、朱雀は口元に笑顔を浮かべた。
「逃げぬ。
それに、不死鳥朱雀はそう簡単に滅びるものではない。
必ず皆を救うためにまたこの地に降り立つ。
この命、いくつ潰えたとしても何度でもよみがえる。」
そこまでいって朱雀は面白そうに顔を歪める審神者を好戦的に見つめた。
「それが命の鳥、朱雀だ。
だから覚えておけ人間。
貴様の首は我が必ずとる。」
肉を斬り裂く音とともにパキンッと音がして朱雀の体は消えていった。
審神者は高らかに笑い、刀剣達は誰の例外もなく泣き崩れた。
審神者は、呆然としながら刀の欠片に手を伸ばそうとする鶴丸の目の前からそれを奪いどこの時代ともわからないゲートに放り込んでニヤリと笑いその場を立ち去っていった。
あとに残された刀剣は絶望のなかただただ泣くことしかできなかった。
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吹雪(プロフ) - 僕も陰陽師大好きです！この作品は世界観が瞑想している気がしますがそう言っていただけると嬉しく思います。これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年5月7日 21時) (
レス) id: 46e13fa611 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 陰陽師(野村萬斎&伊藤英明さんの映画)好きの私…タイトルに興味を惹かれて読んでみたのですが、世界観に一気に引き込まれました。更新頑張って!！ (2019年5月6日 20時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったらリボーンのツナ♀逆行か雲雀の姉か妹か娘がワールドトリガーかヒロアカかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも応援します (2018年3月13日 22時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 苦手なお話に挑戦してくださってありがとうございます。そういった方からの嬉しいお言葉はとても自信になりました。これからもよろしくお願いします！！ (2018年2月20日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 刀剣女士の話は少し苦手でしたがこのお話は何の疑問もなくすんなりと読めました。改稿も程々で誤字脱字も少なかったのでとても読みやすかったです。更新心待ちにしています！ (2018年2月20日 8時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹雪 燐 | 作成日時：2017年9月14日 19時
