わかり会う ページ24
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チュンチュンと雀が囀ずる声を聞きながら降谷は目を覚ました。
「なんか疲れた……」
昨晩の出来事があったからか一晩寝ても疲れがとれていない。
昨日見たものすべて夢の世界のようなそんな気さえ起きてくる。
しかし久しぶりにリビングから漂う日本食独特の出汁の香りが意識を現実に引き戻した。
(そうだ、１人じゃないんだ)
心が暖まるような感覚を抱きながらリビングへと足を向けた。
「おはよう、透。
疲れは……
とれていないようだな。」
笑顔で話しかけてきたのは自分を神様だという女性。
降谷は昨晩改めてその力を目の当たりにした。
「おはよう、朱雀。
……今日もお前の分はないのか？」
机に並べてあった料理は一人前のみ。
やはり目の前の彼女が人形をしているせいかどことなく違和感を感じてしまう。
なにより朱雀がいない間にこの家には彼女の持ち物がひとつもないということに降谷は気がついた。
食器も布団も小物も洋服ですら１つもない。
朱雀が持っているものとすれば本体である刀と古い横笛、ボロボロになったお守り袋に三日月が施された美しい首飾りくらいだ。
「言ったであろう？
我は刀だ。
物はなにかを食べたり飲んだりはしない。」
はっきりと言い切った朱雀の顔からは笑顔が消えていた。
それは朱雀がこれ以上触れてほしくないときに使う顔だということをこの七年で学んだ。
「……そうか。」
手を合わせて挨拶をした後暖かい朝食に手をつける。
メインはカレイの煮付けで箸をいれた瞬間にホロリと身がほぐれタレと合わさり食欲を誘った。
一口、口に含めば自然と笑顔が溢れるほど満ち足りた気持ちになる優しい味が口いっぱいに広がる。
「うまいな。」
ポツリとこぼすと朱雀は嬉しそうに笑顔を向けた。
「そうであろう？
なんといっても本丸一料理上手な仲間が自ら教えてくれたのだからな！」
だがそう言った瞬間彼女の目は曇ってしまった。
物は何かを口にすることはないといったのに彼女の仲間は料理を作り、彼女はその味を知っている。
彼女自身発言の矛盾に気がついたようだ。
「そろそろ、きちんと話をしよう。
お前のことも勿論俺のことも。」
降谷がそういえば朱雀はいつも通りの美しい笑顔を浮かべた。
「あいわかった。」
その声はとても冷たくて暖かかったご飯が一気に覚めてしまったような気がした。
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吹雪(プロフ) - 僕も陰陽師大好きです！この作品は世界観が瞑想している気がしますがそう言っていただけると嬉しく思います。これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年5月7日 21時) (
レス) id: 46e13fa611 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 陰陽師(野村萬斎&伊藤英明さんの映画)好きの私…タイトルに興味を惹かれて読んでみたのですが、世界観に一気に引き込まれました。更新頑張って!！ (2019年5月6日 20時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったらリボーンのツナ♀逆行か雲雀の姉か妹か娘がワールドトリガーかヒロアカかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも応援します (2018年3月13日 22時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 苦手なお話に挑戦してくださってありがとうございます。そういった方からの嬉しいお言葉はとても自信になりました。これからもよろしくお願いします！！ (2018年2月20日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 刀剣女士の話は少し苦手でしたがこのお話は何の疑問もなくすんなりと読めました。改稿も程々で誤字脱字も少なかったのでとても読みやすかったです。更新心待ちにしています！ (2018年2月20日 8時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹雪 燐 | 作成日時：2017年9月14日 19時
