４ ページ23
「ところで今までどこに？」
「ふむ、付喪神というものはな主に拒絶されれば人の姿を保つことができんものなのだ。
つまり我がこの姿でいられるかどうかは透次第ということになるな。
どれだけ小さな言葉でも体現してしまうのが”神“という存在だ。
つまりそなたの拒絶された我はその場にいたライに拾われて世話になっておったのだ。」
朱雀が告げると降谷は赤井を殺気を込めた目で睨み付ける。
「なにも知らないなんて嘘をついていたんですね。」
静かに告げる降谷に赤井は怯むようすもない。
「刀は知っていたが女は知らなかったからな。」
「言わせておけば！」
「まあまあお前ら落ち着けって！」
ギャーギャー騒ぐ３人をどこか羨ましそうに見つめていた朱雀が口を開く。
「さて、始めようか。」
朱雀は懐から人形の紙を取りだしブツブツとなにかを唱え始めた。
「朱雀？」
降谷が声をかけた瞬間に人形の紙はふわりと舞い上がり地面に落ちた。
3人はよく分からないといった顔を向けるが朱雀は満足そうに笑っていた。
「ん？何をするんだ？」
たまらず問いかけた諸伏に朱雀はもう一枚人形の紙を取りだしまたなにかを唱えた後小さなお守り袋に入れそれを彼に持たせる。
「それで姿を偽れよう。
そなたが信じるもの以外にはそなたは別人に見えるはずだ。
外に出るときはそのお守りをはだ見放さず持つがよい。」
ますます厨二臭いが神様である朱雀がそう言うので3人は困惑する。
というのも地面に落ちた人形も諸伏の姿も全くなにも起きていないように見えるからだ。
それを見かねた朱雀は鏡を取り出すとそこに諸伏を映す。
「「「っ！？」」」
そこには黒の短いストレートの髪に物腰柔らかそうな顔、眼鏡をかけた泣きボクロがよくにあう優男が映っていた。
言葉をなくす３人に今度は地面に落ちた人形を鏡に映したものを見せる。
それは諸伏の死体であった。
「これは……」
「これで死が偽装できたであろう？」
狐につままれたようだとはまさにこのことだ。
「名は偽っておけ。
それから、今後一切の刑事活動及び調査を止めてもらう。
それが条件だ。」
言い返そうにも朱雀の有無を言わせないその空気に諸伏は頷いた。
「約束だ。
神との約束は絶対。
故に違うことなきよう頼むぞ。」
帰ろう、と呟き踵を返した彼女を3人は黙って見送るしかできなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
吹雪(プロフ) - 僕も陰陽師大好きです！この作品は世界観が瞑想している気がしますがそう言っていただけると嬉しく思います。これからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年5月7日 21時) (
レス) id: 46e13fa611 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 陰陽師(野村萬斎&伊藤英明さんの映画)好きの私…タイトルに興味を惹かれて読んでみたのですが、世界観に一気に引き込まれました。更新頑張って!！ (2019年5月6日 20時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったらリボーンのツナ♀逆行か雲雀の姉か妹か娘がワールドトリガーかヒロアカかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも応援します (2018年3月13日 22時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 苦手なお話に挑戦してくださってありがとうございます。そういった方からの嬉しいお言葉はとても自信になりました。これからもよろしくお願いします！！ (2018年2月20日 10時) (レス) id: 4e2a82a17c (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 刀剣女士の話は少し苦手でしたがこのお話は何の疑問もなくすんなりと読めました。改稿も程々で誤字脱字も少なかったのでとても読みやすかったです。更新心待ちにしています！ (2018年2月20日 8時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：吹雪 燐 | 作成日時：2017年9月14日 19時
