4.ゆくすゑまでは ページ10
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” わがそではー ”
カンッ
千早「ひあっ！誰が置いたのあんなとこ！」
優勝トロフィーに払った札が当たりグラついた。
ここがいいかな…いやこっちか……
呟きながらトロフィーを移動させる千早。
その間試合が中断されていることに
痺れを切らして太一が声をかける。
太一「おいキャプテン。
大事なのはわかるけどいい加減にしろ。」
千早「…う。」
A「暗くなってきたね。電気つけるよ。」
立ち上がり古びた壁のスイッチに手をかけると
かなちゃんが窓の外を見つめながら口を開いた。
奏「《 茜指す 紫野行き標野行き
野守は見ずや 君が袖振る 》ー…。」
太・千・肉・机「「「 へ？ 」」」
奏「あっ、すみません。
これ私が一番好きな歌で…。」
A「万葉集の額田王だよね？」
中学で習ったのをたまたま
覚えていたからそう言うと、
ぱあっと頬を染めて笑顔を見せるかなちゃん。
奏「そうです、Aちゃん！
…夫である天智天皇の領内で
元夫の大海人皇子が自分に手を振っていることを
守衛の者に見咎められないか、
嬉しいけどハラハラした気持ちを表したもので…
忍んで近くに来た元夫にドキドキする。
心は昔も今も変わらないですね……。
……あっ！私ったらまたこんな蘊蓄を…！」
千早「いやー、かなちゃん物知りだなー。」
かなちゃんの歌を愛する気持ちが
ひしひしと伝わる。
奏「私ももう《ありま》とか
《あきの》とか言うの慣れちゃいましたけど、
近江神宮でだってすごくすごく勝ちたいですけど、
かるたが ”歌” であることを忘れたくないんです。」
夕焼けの茜色に染められ、
穏やかな表情で語るかなちゃんの心には
しっかりしたと固い芯があって。
競技かるたを始めて
かなちゃんも変わったと思っていたけど
信念は変わらない。
こういうかるたの愛し方もあるんだね。
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そら(プロフ) - ひなさん» ご指摘ありがとうございます！全然気づかずすみません(^^;訂正致しました。今後も誤字脱字などありましたら教えて頂けると助かります(^-^)お話の感想もありがとうございます。今は更新停止してますが、必ず完結させるので気長にお待ち頂けたら幸いです♪ (2020年7月5日 20時) (
レス) id: 6b835fc275 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - あの…ゐなのささはらの「真島くん」が「真嶋くん」になっています…。細かくてすみません…。お話は凄く面白いです！他の小説は、恋愛がメインですけど、競技かるたのこともたくさん書いてあって、面白いです！ (2020年7月4日 3時) (レス) id: 065f86c58e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - アミさん» ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします♪ (2018年10月4日 1時) (レス) id: 6024975a6b (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年10月3日 23時) (レス) id: 7df7bc8953 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - のぞみさん» コメントありがとうございます(^ ^)ここ最近中々更新できていませんが、頑張りますので今後ともよろしくお願いします♪ (2018年9月29日 0時) (レス) id: 6024975a6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作者ホームページ：https://plus.fm-p.jp/u/aratasosa
作成日時：2018年5月25日 13時
