一緒にかるたしよっさ＊２

1.あけぬれば ページ6

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《 第四章 》







無事机くんが入部してくれて、

かるた部は６人になりました。









太陽が眩しい5月半ば。


私はいま金沢の大会に来ている。

遠いし交通費もかかるって？

確かに遠いんだけど、お金の面は大丈夫。

両親が中々帰れない分、

やりたいことやりなさい。って

毎月充分過ぎる額を振り込んでくれてるから。

太一と千早も誘ったけど

太一は予定があって、

千早は金欠で来れなかったから今日は一人。






建物の入口すぐの掲示板に

凄い人だかりができてる。

出場選手と級別の会場の場所が

貼り出されているからだ。









えっと…A級A級…


…いた。


ふふふっ。

ざわつくロビーの椅子に腰掛け、

きゅっと結んだままの口に笑いを溜める。








「チョー可愛い！」

「おまえ声かけてこいよ！」

「すげぇ美人だな！」

「あの子も選手なのかな？」




あぁ、まただ。

目立ちたくないのに

何故か注目を浴びてしまう。






男「ねぇキミ。時間まで話そうよー。」




…応援の人かな。

いかにもチャラ男って感じの風貌で

とてもかるたをやる人には見えない。


噂をされることにはだいぶ慣れてきたけど

こうやって声をかけられることは

あまり無いから不安で堪らなくなる。




A「…あ…っ…すみません…。」

男「ちょっと逃げないでよー！」




席を立ち離れようとすると

肩を掴まれて引き寄せられた。

嫌だ…。






？「おい。」



この声は…




A「新！」




額に青筋を浮かべ

まるで鬼のような形相の新に

チャラ男はたじろぎ逃げていく。




新「A！大丈夫やった？」




心配そうに眉を下げ、

私の服を整えながら言う。




A「ありがとう、新っ。」

新「来るの聞いてえんで
掲示板の名前見てびっくりしたわ。」

A「ドッキリ大成功ー！」

新「ドッキリ？
あ、この間の電話で内緒って
言うてたのこれか？」

A「正解っ。
だって夏の全国大会まで
待てなかったんだもん、新に会うの。」



新「………ほうか。」




最近、新が変。

なんか素っ気ない。






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