一緒にかるたしよっさ＊１

5.おくやまに ページ7

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A「私ね…」




そう口を開いて言葉に詰まる。

中高一貫のルートを外れてまで

わざわざこの高校に来た理由は

新にも話せてなかったから。




新「ゆっくりでいいでの。」

A「…千早が………。」

新「千早…？千早となんかあったんか…？」


A「違くて…。千早が同じ高校にいたの。」




新は驚きつつも「よかったの！」なんて。

全然良くないのに…。




A「私ね、自分のことを知ってる人と
関わりたくなくて、今の高校に来たの。」

新「…何でや？関わりたくないって…。」




地味で暗いって言われて、友達も作れない、

そんな自分を変えたかった。

全部リセットしたかった。


逃げだなんて、自分でもわかってる。

でもこうしなきゃ変われないと思った。

髪切って、お洒落して、

元の私を知る人がいなければ

前向きに、明るくなれると思ったから。




新「ほうか。」




変わらぬ柔らかい声でそう言って




新「辛かったやろ、A。
頑張ったんやな、えらかったな。」




けっして私の言葉を否定しないでいてくれる。





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