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17.ありあけの ページ32

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新「俺はこれが一番好きや。」




そう新が指さすのは

薄ピンクの花を咲かす桜の木々に混じり

一本だけ立つ、紅色の花をつけたか細い木。




新「この木は他の木よりも
背が小さいし花も少ないけど、一番綺麗や。
こんなに沢山の桜の中で
違うのは自分だけなのに負けてない。
濃い紅の色で主張してる。立派やろ。」




激しく胸を打たれて、

涙が出そうになった。




新「この木は、Aみたいや。
人より気が小そうて少しあほやけど、
周りにかるた友達がえん状況で
変わり者扱いされても
一生懸命やってきたんや。
こんなに立派に立ってる木
今更折るのは勿体ないやろ。」




桜からの木漏れ日のせいか

自分の目に溜まる雫のせいか

視界が白んでぼやける。







A「アホは余計だ!
わかってるし、かるた、頑張るって、
昨日言ったし………。」




そう口にしながら、

身体が震える程の嬉しさに

堪えていた涙がボロボロと溢れ落ちる。






A「よりによって私が一番好きな花…」

新「ほうなんか?」

A「紅千鳥って言う遅咲きの紅梅。」

新「これ桜やないんか。
花の形似てるでわからん。」




目を丸くして

花をまじまじと見比べる新の姿に

ふふっと笑いが込み上げてくる。




A「桜と梅の見分け方でね、
一番分かりやすいのは木の幹。
桜はつるっとして艶があって、
横向きのしま模様があるのが多い。
梅は全体的にゴツゴツしてて艶がない。
花びらとか花の付き方にも違いはあるけど
新にはわかんないだろうから省略っ。」

新「…なっ、人をアホ扱いして…。」

A「お互い様でしょ!」






河原に寝転んで

流れる春の雲を仰ぎ

木々を揺らす風の音に耳を委ねた。









《 第二章 〜完〜 》



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設定タグ:ちはやふる , 綿谷新 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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黒木玲奈(プロフ) - そらさん» よろしくお願いします! (2018年9月6日 12時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 黒木玲奈さん» お返事遅くなりすみません!嬉しいお言葉ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。 (2018年9月4日 12時) (レス) id: 6024975a6b (このIDを非表示/違反報告)
黒木玲奈(プロフ) - 最高です!私、かるたが今スランプだったので、もっと頑張る気になりました!ありがとうございます!小説、すごく上手ですね。きっと、かるたも同じくらいお上手なんでしょうね! (2018年8月5日 18時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - Disney★さん» 嬉しいコメントありがとうございます。楽しく読んで頂けたら幸いです♪ (2018年5月15日 1時) (レス) id: f89ab7fbfc (このIDを非表示/違反報告)
Disney★ - 書くのものすごくお上手ですね!尊敬します。これからも頑張ってください! (2018年5月14日 20時) (レス) id: 9f53b71922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そら | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/aratasosa  
作成日時:2018年3月22日 15時

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