一緒にかるたしよっさ＊１

10.つきみれば ページ25

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新の部屋に着いて

そっと背中から降ろされると、




新「この眼鏡かけとき。
度は合わんやろうけど、
なんも無いよりはマシやろ。」




そう言って予備の眼鏡を貸してくれた。


あ、ぼんやりはするけど

何とか分かるようになったかな。




新「俺もシャワー浴びてくるで、
眠かったら寝てて。
俺の布団使うていいでの。」




そういえば、

夕飯頂いてる時におばさんが

来客用の布団を丁度クリーニングに

出していて無い、って言ってたな。




A「新寝るとこなくなっちゃうじゃん。
いいよ、私そっちの床で。」


新「あかんよ、
ちゃんと布団で寝な風邪ひいてまう。」




4月とはいえ、福井の夜はまだまだ肌寒い。



寝てていいって言われたけど

まだ眠くないから待ってよう。



新の布団に寝転んで、目を閉じる。

新の匂いがする。

胸いっぱいに空気を吸い込むと

ささやかな幸福感で満ち溢れた。





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