彼の束縛に告げた別れを《雪》*

# 予想外の事態 _ 過去 ページ19

翔太 side .








岩本「 お前、ストーカーさせるとか
だいぶ頭イカれてるだろ。」


「 それぐらい本気なんだよ、俺は。」








ストーキングしてたのが

ふっかだってバレたのはまあ仕方ない。








けど、犯人が分かるまでは

相当照の前で怯えてたみたいだし、




これに懲りてそろそろ帰って来るだろう。








そう思ってた。








.








「 は…？嘘だろ。」








けどその日家に帰ると、

置いてあったのは一枚の置き手紙。








確かに帰っては来たけど、




パジャマも歯ブラシも下着も

何もかも家の中から消えていた。








「 嘘だ…… なんで……っ？」








あまりのショックに

思わずその場に座り込む。




Aなら、

また帰ってくるって信じてたのに…。








.








♪ ピロンッ








何もやる気が出ないまま

気付けば日も落ちて暗くなった頃、




携帯にメッセージが来た。








送り主は、阿部ちゃん。








阿部Aちゃん、今日預かるよ?
何もしないから安心して。








家での事情も俺の行動も

メンバーはみんな把握してる。




だからこうやって

教えてくれるのはありがたい。








渡辺Aのこと、頼む。








それだけを送って

俺は寂しく一人ベッドに潜った。








.








目黒の家、佐久間の家、そして阿部の家。








ここまで他の男の家に

上がり込まれると、




何もなくたっていい気はしない。








「 …絶対、取り返してやる。」








俺はそう強く、心に誓った。

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