春、7話 ページ8
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「まず分かったことは、俺の姿はAちゃんにしか見えないこと、お互い触れること、夜の間は俺は消えること、」
『よるはどうしてるの？』
「寝てる感覚と同じだと思う。
意識自体なくて、だんだん意識が戻ってきたらまたここに立ってるんだ。」
「…あとは、おそらく俺は警察の機動隊の爆発物処理班で、爆発物の解体に失敗したか間に合わなかったか…」
『あとはーけいさつになれなくて、おこってじけんおこしたはんにんとか』
「急に冷たく突き放すね？？」
事件起こした当本人が爆発に巻き込まれるって阿保すぎだろ？
なに事にも想像を広げて考える事ができるこの子は、まあ警察には向いているのかもしれない。
でも、できることならAには愛らしいまま育ってほしい。
内心萩原は頭を抱えていた。
『けんじくんかみさらさらだね』
不意にAは萩原の髪に触れ、毛先辺りを手櫛する様に撫で始めた
「…Aちゃんもね。」
『ねえねえけんじくん、あそぼうよ』
Aはまだ7歳の子供だ
たくさん遊ぶし、様々なことに目移りで興味を持つ年
記憶を取り戻す手伝いをしてくれるとは言え、ずっと考えていたら流石につまらないし疲れるだろう。
「いいよ、なにして遊ぶ？」
『けーさつごっこ！Aがけーさつで、けんじくんがすぴーどいはんした、くるまの人ね！』
「無駄に現実的だね？」
最近の子はみんなこんな感じなのか、はたまたAが特殊なのか。
萩原にはもうなにがなんだか分からなかった
「…交通部の婦警さんになりたいの？」
ノートをちぎり、赤い字で"いはんきっぷ"と書かれている紙を受け取った萩原は問いかけた
『んー…わかんない。けーさつってたくさんあるから…』
Aちゃんは、殉職するかもしれない仕事を怖いとは思わないのか。
実際目の前にいる自分も殉職した身かもしれないのに。
流石にそれは聞くことができない。と萩原は口をつぐんだ
『あ、これ"あかきっぷ"ね！』
「Aちゃんやたらと俺のこと悪い人にしたがるね？？」
一人勝手にシリアスになりかけていた雰囲気をぶち壊す発言にツッコミざるおえなかった
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作者名：小春日和 | 作成日時：2021年5月27日 0時
