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10.昼ドラ的展開 ページ10

ちらりと時計を確認する。13時半。昼食をまだとっていないせいでさっきからぐうぐうと空腹が訴えている。

行くかあ、と独りごちて屯所を後にしようとして。



「……」



何やら不満そうな顔に無言で呼び止められる。

じとっと見上げる(さま)は悔しいことに顔が整いすぎていて正直どきりとするものがある。



「なんですか」

「行っちまうのか」

「そりゃあね」

「そんなァ!一生離れないってアンタ言ってくれたじゃあないかィ!」

「急に人妻出てきましたね」



ぶすっと口を尖らせて見せられても、私の予定を邪魔出来るほどの力はない。

「じゃあ行ってきますね」と不機嫌そうな沖田さんを尻目に屯所の玄関へと向かう。



「待てA」

「今度はなんですか」

「今緊急の連絡が入った。旦那は糖尿病でぽっくり逝っちまったらしい」

「タイミング良すぎますね?じゃあ予定変更して葬式に行ってきます。」

「じゃあ俺も着いて行く。何せ旦那には生前お世話になったからなァ……」

「きっと沖田さんみたいな不謹慎な人が来たら、銀さん墓からゾンビになって恨み辛みで襲いに来ますよ」

「ハン、んなもんたたっ斬るだけでィ」

「生前お世話になった人をたたっ斬るなんてとんだクソ野郎じゃないですか。恩を仇で返しちゃってますよ」

「クソ!Aがあのもじゃもじゃの毒牙にかかっちまった!帰ってこいA!」

「そろそろ行きますね」



沖田さんと遊んでいるうちにいつしか10分ほど過ぎていた。

依頼料の支払いなのに肝心の依頼主が遅刻してしまっては申し訳が立たない。

早足でその場を去ろうとして、



「……A」



真剣な声色に、反射的にぴたりと身体が止まる。



「…………門限は17時だからな」

「いや小学生か」

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乙愛 - 草間さんのセリフにグッときたがワイは負けん…はっ!総悟!違う私は一筋じゃぁ (2018年12月19日 18時) (レス) id: 89a184ea87 (このIDを非表示/違反報告)
木ノ嶋(プロフ) - 乙愛さん» コメントありがとうございます。良い意味でキュッとして頂けたら幸いです。物語が徐々に動き始めてきましたので、どうか今後も見守ってくれたら嬉しいです。 (2018年12月10日 22時) (レス) id: 24579aa2d7 (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - なんか、心臓キュッってなりました。( ・∇・)きゅーん (2018年12月7日 22時) (レス) id: 89a184ea87 (このIDを非表示/違反報告)
木ノ嶋(プロフ) - アルハさん» 本当に嬉しいお言葉、ありがとうございます。受験生なんですね…この作品で、少しでもアルハ様の応援が出来たらいいなと思っております。ありがとうございました。 (2018年11月28日 7時) (レス) id: 24579aa2d7 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 受験生の身でありながらついぶっ通しで読んでしまいました・・・笑上から下までタイプですありがとうございます。これからも応援してます! (2018年11月27日 16時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2018年8月17日 23時

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