元ヤンの幼なじみが普通とヤンキーを両立しようとするので見ている私は気が気ではない。 (ページ32)

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ぴんぽん、と難破家のインターホンを鳴らすとばたばたと吟ちゃんがお出迎えしてくれた。

「はいこれ、思ったよりたくさんあったから結構な量になっちゃった」

「ありがとうー！Aも中学んとき全然勉強してなかったのに、よく白百合なんて入れたね？」

「あー、私は白百合に行こうと思って勉強してたわけじゃなくて、とにかく普通科の高校に通うために勉強してて、合格圏内の中で1番偏差値高いとこ選んだら白百合になったって感じだから……」

「なにそのエピソード。凄すぎんだけど」

「ねえそんなことより……勉強、もしかしてあのときの男の子と？何くんだっけ、確か、さ……」

「しっ、しー！」

「……吟ちゃん、もしかして惚、」

「それ以上言ったらAのこと兄ちゃんにバラすから！」

「ごめんなさい」

土下座でもするかのような勢いで謝った。

そうだ、佐藤くんだ。ファミレスで遭遇したときは思わず正気を失っていたけれど、冷静になってみれば良い奴そうだった。それに、吟ちゃんが素敵だと思ってる人が素敵じゃないわけがない。

「……もしあいつが吟ちゃんを悲しませたら私がぶん殴りに行くから夜露死苦」

「怖えーよ！過激すぎ！」

本気の目をしてそう言ったらドン引かれてしまった。

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