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「……あんにゃろおー!!」
剛が何処にもいないのを確認した大丸は雄叫びを上げる。
「白けたな。決着つけんのはまた今度にしようぜ。行くぞA、」
「ちょっと待て伍代!」
先に歩き出した伍代の後に続こうとすると背中から呼び止められる。大丸はぷるぷると身体を震わせ、豪快に頭を下げた。
「ゴメン!マジで悪かった!!」
「気にすんな」
「あああ、駄目だ、俺の気が済まねえ、飯でもゴチさせてくれ!」
歩みを進める伍代を追いかけ大丸はその腕を掴む。伍代がやれやれといったように足を止めると大丸は私の方を向いた。
「彼女サンもどっすか!……怖いとこ、見せちゃったと思うんで」
「……ん?」
彼女サンの言葉が似合う女を探してきょろきょろと辺りを見回していると「お前しかいねえだろバカ」と伍代に怒られてしまった。半分は冗談なんだからそんなに怒ることないのに。
「コイツは彼女とかじゃねえから気にしなくていい」
「いやでも、お前との喧嘩とか見せちまったし」
「……そこまで言ってくれるならお言葉に甘えて」
にっこりと笑って見せた私に伍代はうげえと言いたげに眉を顰める。シャバい女の子だと思われてる間にシャバい女の子への対応を存分に味わっておくべきだろう。だってこれはシャバいときの特権なんだから。
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ぺぺろんちーの(プロフ) - いつもお話が面白くて更新楽しみにしています!続きも気になります〜♡! (2022年6月24日 17時) (レス) @page34 id: 3ba0f6d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2022年6月19日 11時