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95.好きですよ、沖田さん。 ページ45

────後日、草間さんは海の向こうへと戻り、また現場で仕事をしているのだと連絡が来た。

友達としてメールアドレスを交換してから、初めてのメールだった。

それには写真が添付されていて、現地の背景と共に澄ました顔で自撮りをする草間さんの姿が映し出されていた。

それを見てくすりと笑っていると、ひょいと携帯を取り上げられる。



「……ふーん」

「ちょっと、沖田さん!返してくださいよ!」

「何俺の前で他の男の写真なんざ見てニヤニヤしてんでィ」

「ニヤニヤなんてしてませんし!勝手に見ないでください!」

「それに、あん時は"総くん、総くん"って可愛く呼んでたのに、今や逆戻りなんて」

「は、恥ずかしいじゃないですか!蒸し返さないでください!」

「敬語にも戻ってやがるし」

「癖なんです!抜けないんですよ!」



携帯を取り返そうとしても、ひょいひょいと避けられてしまう。

私だけがギャースカと喚いていて、余裕の態度の沖田さんに悔しさを覚える。



「ほーら、総くんって呼んでみな」

「い、や、で、す!」



べ、と舌を出してみせると、その舌に噛み付こうと歯を見せて顔を近づけてくるものだから、生命の危機を感じて引っ込めた。

が、噛む対象が舌から唇に変わっただけで、噛み付くようなキスをされる。



「んんー!」



いつしか逃げられないように腰に腕を回されている。

じたばたとその場で暴れていると、カシャ、という聴き慣れた音にピタリと動きを止めた。



「……何、を」

「フン」



カチカチカチ、と勝手に私の携帯を操作する様子に、嫌な予感しかしない。

やっとの思いで取り返したその画面には、送信完了の文字が。



「……誰に、何を、送ったんですか」

「自分で確かめてみろ」



恐る恐る送信履歴を確認して、顔から火が出た。



「〜〜〜っ、ちょっと!沖田さん!」



しっかりと、私と沖田さんがキスしている写真が添付されていたし。

しっかりと、送り先は"草間さん"になっていた。



「勝手に何してるんですか!」

「見せつけてやってんでィ」

「やめてくださいよ!」

「なんでィ、嫌いになったか?」



なんて、大きな瞳でこちらを見つめられたら、敵うはずなんてなく。



「〜っ、だいすきですよ!沖田さんのばか!!」

「ふは、知ってら」



────いつまでも、誰よりも大好きな、貴方の隣にいたい。

人はこれを、愛おしいというのだろう。









【了】

あとがき→←94.お友達になりたいのです



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乙愛 - 吉沢亮さん、良すぎですよね……。ほんと、沖田さん…。現在1番好きな役者さんです。 (2019年2月11日 10時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - お疲れ様でした!最後の写真みてみたいです…/// (2019年2月11日 10時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
ののこ(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしていました。終わってしまって寂しさもありますが、素敵な小説に出会えて良かったです。ありがとうございました! (2019年2月10日 1時) (レス) id: c2027c837f (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - とても素敵な作品に出会えて幸せでした。ハッピーエンドでとても嬉しかったですし、完結した寂しさの反動も大きく、それ程この小説にハマっていたのだと思います。本当にお疲れ様でした!(実写版沖田さん…本当に完璧と言わざるを得ない程素敵だと私も思いました!) (2019年2月8日 19時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
春先未(プロフ) - お疲れ様でした…本当に面白く更新を楽しみにしていた作品だったので終わってしまい寂しさ半分、素敵な作品と出会えたという幸せな気持ち半分です。とても素敵な作品をありがとうございましたm(_ _)m (2019年2月8日 18時) (レス) id: 948ea5509c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2018年12月14日 8時

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