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────Side.You
何着かの服と一緒に試着室に押し込まれたので、ファッションショーのごとく次から次へと変身を遂げていく。伍代が「それ似合うな」とカーテンを閉めようとする手を止めたのは、ジャケットがショート丈のセットアップのときだった。
「え、本当に?」
「なんで嘘つく必要があるんだよ」
「それもそうか……」
しかしさすが伍代、シャレオツな服を選ぶセンスに溢れてる。確かに鏡に映る私はどこからどう見てもヤンキーではなく、むしろ都会の街を闊歩するイケた女……に、見えなくもないかもしれない。
「つか高校のツレと会うときはどんな髪型にするとか考えてんのか?あの瓶底メガネは?」
「メガネはマスト!髪は……そーだなあ、いつもはポニテだし三つ編みとかにする?」
「……ちょっと待ってろ」
私を試着室に置き去りにして服を選びに行ってしまった伍代。
手持ち無沙汰なので店内をぐるりと見回すと、女の子2人組が離れた位置から伍代を見つめ、きゃっきゃと盛り上がっていた。耳をすましてみると「あの人めちゃくちゃカッコよくない……!?」と囁きあっている。いや私のところまで聞こえてるのでもはや囁きではないけれど。
(……まー、伍代ってシュッとしてるもんなー)
そりゃあモテるか、と試着室の床に座り込む。喧嘩は強えし服はオシャレだし、何だかんだ今もそうだけれど面倒見が良い。笑った顔は可愛いから、改めて考えてみるとモテない要素がどこにもなかった。あらびっくり、である。
「これ着てみろ」
「ウッス」
伍代が持ってきた服をまとめて受け取り、カーテンを閉める。これは……私が今までに着たことのない感じだ。
「着た!」
「三つ編みは?自分で出来んのか?」
「出来ない!」
「……じゃあなんでやるとか言ったんだよ」
はあ、とため息をついたのがカーテン越しに聞こえる。
「軽くやってやるから準備できたら開けろ」と呆れ混じりに言う伍代はやっぱり面倒見が良い。カーテンを開けると伍代は私の全身を見下ろし何度か頷く。
「伍代、三つ編みできんの?」
「まあな」
「……女いる?」
ゲホッ、と噎せたように咳き込む伍代の背中をさすってやる。どこか恨めしそうに私を見上げるので小さく「ごめんて……」と呟いておいた。
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間宮祥太郎好き - 難破剛かっこいい惚れました。しかも今も胸キュンです。ずっと難破剛会いたい、会いたくてしかたないです。大好きです。 (2022年6月16日 22時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ - ナンバMG5の難波くんのお話なかったので見てみたら話が面白すぎて引き込まれちゃいました…!🫠間宮祥太朗さんファンなのでありがたいです😭!! (2022年6月16日 21時) (レス) @page38 id: 9f8ceec694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2022年5月24日 12時