#34 ページ36
「あ?なんだテメーは」
「バカ!」
「み、深雪ちゃん…………?」
どうしてそんな突発的な行動を……?そもそも屯こそしていたものの通行の邪魔にはならないレベルだったと思うのだけれど、一体どうして、何がそんなに深雪ちゃんの琴線に触れたというのだろう。いやそんなことよりも。
「俺ら市松ってわかってんのかコラ」
「市松だろうがなんだろうが、関係ないわよ!頭の中、脳みその代わりに何入ってんの?!」
どうしてそう喧嘩を売るようなことをしてしまうの深雪ちゃん……!?と思っていると、「テメェ……女だからって許さねーぞ!」とヤンキーが深雪ちゃんの胸ぐらを掴もうと手を伸ばした。咄嗟に私は深雪ちゃんの背後からその肩を強く掴んで後ろへと引き倒す。バランスを崩した深雪ちゃんを自身の身体で受け止めると、ヤンキーの伸ばした手は剛の手によって押さえられていた。
「相手は女の子なんだから暴力はちょっと……」
深雪ちゃんは背後にいる私と、軽々とヤンキーの腕を掴んだ剛を目を白黒させながら見ていた。
「やっぱり思った通りだ……、正義の味方だから見過ごせなかったんでしょ?!」
「え?」
「難破くんが……特服なんだよね?!」
「はぁ?特服?」と市松の奴らがわらわらと群がってくるのを慌てて剛が否定する。
深雪ちゃんは一体どういうつもりなのだろう。わざわざ市松の生徒の前で、剛が特服であるだなんて大きな声で言いふらすなんて……、今後の展開がどうなるかなんて、元ヤンなら考えなくてもわかる。
そしてその展開は私たち────主に剛にとって危機的状況をもたらすだろう。冷や汗を流しながら、状況を打破するために脳みそをフル回転させた。
私たちが連れて来られたのは寂れた倉庫のような場所だった。
剛ひとりに対し、市松の奴らが何人も向かい合っている。その中にいる一際大きな男────あれが恐らく、伍代が言っていた最上なのだろう。私と深雪ちゃんは離れたところでそれぞれ男に身動きを封じられていた。
「あのー……あいや、僕が市松に喧嘩を売るなんてそんなことあるわけな、」
ガスッ、とひとつ、最上のパンチが剛の顔を捉える。ボクシンググローブに鉄の板のようなものを組み込んだそれは、剛の顔に当たる度に痛そうな音を放つ。ひとつ、またひとつと拳が叩きつけられる度に市松から歓声が上がった。地面に倒れ込む剛に乗りあがってまで、その顔を嬲る。
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間宮祥太郎好き - 難破剛かっこいい惚れました。しかも今も胸キュンです。ずっと難破剛会いたい、会いたくてしかたないです。大好きです。 (2022年6月16日 22時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ - ナンバMG5の難波くんのお話なかったので見てみたら話が面白すぎて引き込まれちゃいました…!🫠間宮祥太朗さんファンなのでありがたいです😭!! (2022年6月16日 21時) (レス) @page38 id: 9f8ceec694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2022年5月24日 12時