検索窓
今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:100,332 hit

#2 ページ3

ほとんど吐息にかき消されるように呼ばれたお互いの名は、しかし周りの人たちに聞こえてしまったようで。



「ねえ、もしかして難破くんと知り合いなの?」



と、剛(のような人物)の隣の席の女子────私から見て右斜め後ろの女子が、身を乗り出してそう尋ねてきた。

"同中"という単語に反応したのか、遠巻きに話を聞いていたクラスメイトたちが恐る恐るこちらを覗いてくる。

ああ、さっき萬中出身って話をしてたのは真後ろの男だったのか。関口みたいなやつが他にもいたんだなあくらいにしか思ってなかったけど、まさか。



────まさかよく知る幼なじみが、特徴的な金髪ツンツン頭を黒髪に大人しく撫で付け、暴力なんぞ振るったことがないような顔をして普通科の高校に通っているなんて。



「あ、ああうんまあねなんて言うか腐れ縁っていうか幼なじみ?かな!あはは!」



剛(のような人物)が何かを必死に訴えようとしている様子が目から伝わってきて(というよりは刺すような威嚇を感じたような気がするけれど)、とにかくこの場は話を合わせた方が良いのだと悟る。



「あーっ、そうそう!幼なじみ!会ったのが小学校以来だから全然わかんなくって!いやあ変わったね難破くん!全然わかんなかったよ!」



あは、あははと2人してぎこちない笑みを浮かべていたが大して気にならなかったらしく、また萬田中出身ではないと確認出来たからなのかほっとしたように他のクラスメイトたちも姿勢を戻す。



「あたし、藤田深雪。よろしくね。えっと……」

「あ、葛城Aです。宜しくね、……藤田さん」

「もー!深雪でいいよ!Aちゃん!」

「! ……深雪、ちゃん」



えへへ、と笑う深雪ちゃんに心が浄化される。後ろの席からの視線には気づかないふりをして、深雪ちゃんに微笑みを返した。





設定→←#1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (97 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
234人がお気に入り
設定タグ:ナンバMG5 , 難破剛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

間宮祥太郎好き - 難破剛かっこいい惚れました。しかも今も胸キュンです。ずっと難破剛会いたい、会いたくてしかたないです。大好きです。 (2022年6月16日 22時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ - ナンバMG5の難波くんのお話なかったので見てみたら話が面白すぎて引き込まれちゃいました…!🫠間宮祥太朗さんファンなのでありがたいです😭!! (2022年6月16日 21時) (レス) @page38 id: 9f8ceec694 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2022年5月24日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。