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それから毎晩電話をするようになった。
その日の他愛もない話をするだけ。
どこか心地よかったんだ。きっと。
それに俺はなにか毎日接点が欲しかった。
どんなに会いたくてもさすがに毎日はお店に行けない。
だから疲れを癒すのにもすごく嬉しかったんだ。
……
それから冬を2回過ごして。
俺の隣に少し小さめの肩が並ぶようになった。
さらさらの長めの髪にいつでも触れることができるようになった。
A、って名前を呼ぶと、ん?、って返ってくる。
もれなく大好きな笑顔が付いて。
ずっとAの隣にいていいですか。
そう心の中でつぶやく。
それに応えるかのようにAが右手をきゅっと繋ぐ。
本当に好きな人といるって幸せなんだな。
こんなの2年前の俺に言ったってきっとわかってはくれないだろうな。
でもいいんだ。
今と未来が幸せならね。
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これからも君と一緒にいたいよ。A。
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なんて。
ツケはまわってくるもので。
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作者名:郁 | 作成日時:2015年11月30日 1時