没頭 ページ2
Keiichiro.K ○ real style
「ねー、A聞いてる？」
「なに？ごめん。」
「だからー、14日何食べに行く？って。」
「なんでもいいよ。」
「それ困るんだけど。」
仕事終わりとは言えども、せっかくのバレンタインデートなんだから彼女の希望を聞いておきたい。
なのに肝心の彼女は本を読んでいて、全然話なんて聞いちゃいない。
どこかの誰かさんと一緒だ。
「ねー、Aってば。本読むの今じゃなきゃダメ？」
「んー、」
これはだめだわ。
しょうがないから後で聞こう。
そう思って俺も新聞を手に取ってめくり始めた。
部屋には新聞のめくる音と、2人の呼吸と、加湿器の音だけが響いていた。
「ねぇ、慶くん。」
「ん？」
「ラーメン食べたい。」
「え、ラーメン？」
「だから、慶くんの実家行こう？」
「は？」
突然の彼女の提案に頭が追いついていかない。
そりゃうちのラーメンは美味しいけどさ。
珍しいことを言い出したもんだ。
「で、だめ？」
「いいけど、Aはいいの？」
「私が行きたいって言うんだからいいに決まってるじゃん。」
「まぁそうだけど。」
将来嫁姑になるかもしれないし、距離は遠くない方がいいのかもね。
なんてAにはまだ言えないけど、少しぐらい頭の片隅に置いておいて欲しいな。
ふとAの手元を見ると、さっきまで読んでいた本ではなくて、チョコレート特集の雑誌に変わっていた。
バレンタインなのに実家帰るのかぁ。変な感じ。
「ねぇ慶くん。」
「ん？」
「慶くん甘いものなら何でも好き？」
「何でも食べるよ？」
「じゃあいっか。」
何がいいのかは分からなかったけど、何だか楽しそうだからいいや。
新聞を片付けて、Aの隣に座れば、当たり前だけど大好きな彼女の香りがする。
僕の肩にもたれる彼女にそっと唇を寄せて。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
郁(プロフ) - ▽さんかく▽さん» わー！コメントありがとうございます！是非沼落ちお待ちしてます！！しげさん男前に書きすぎた気がしないでもないんですがこれぐらい夢が見たい！(笑) 楽しんで頂けてよかったです◎ (2017年3月14日 23時) (
レス) id: cafba6d97e (このIDを非表示/違反報告)
▽さんかく▽(プロフ) - お星様連打してももう反映されないのでコメントさせてもらう！ウィローさん！驚きましたよね？(横からすいませんw)お陰で、V6さんたちもすっかり気になる存在に…。あーでもシゲアキさん最高かよ。いつからそんな男前に！前から！知ってるけど！ご馳走さまでした☆ (2017年3月14日 23時) (レス) id: 371be3a478 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 高校生？！とよく驚かれます(笑)やっぱり精神年齢高めにプログラミングされているようです…。これを機にV6兄さん覗きませんか？？NEWSに負けないぐらいキャラの濃い色気溢れるお兄様いかがですか？？手始めに新曲買いませんか？？？(売り込み) (2017年3月14日 22時) (レス) id: cafba6d97e (このIDを非表示/違反報告)
ウィロー(プロフ) - ひゃああああ！文章が素敵すぎてもっとお姉さまだと勝手に思ってました・・・！甘々最高です。V6兄さんに目覚めてしまいそうです。きゃ。 (2017年3月14日 22時) (レス) id: d8e6e031fa (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - ウィローさん» お久しぶりです！三宅先輩甘々すぎましたかね…(笑) そうなんです、一応JKとかいうブランド背負って2年が経ちました、、(笑) (2017年3月14日 22時) (レス) id: cafba6d97e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：郁
| 作成日時：2017年2月10日 19時
